2025年度決算への超党会派えどがわの意見

2025年度の決算について、決算特別委員会で述べた超党会派えどがわ(笹本、伊藤、本西、きもと、田村、中野)の意見を掲載します。

 

令和7年度江戸川区一般会計及び各特別会計の歳入・歳出決算審査を通じ、超党会派えどがわを代表して、総括意見を申し上げます。
慎重な審査の結果、令和7年度決算を認定いたします。

区民や関係団体の意見を踏まえ、ともに生きる、誰一人取り残さない江戸川区政を推進し、一人ひとりの声を行政運営やサービスの拡充に生かしていただきたいと思います。

はじめに、歳入についてです。
指定寄付金に関して、毎年、ふるさと納税に伴う本区の財源流出が止まらない現状に鑑み、ふるさと納税と同じ控除の仕組みが使える「指定寄付金制度」の拡充を求めました。返礼品を依然として実施しない本区としては、地域内のNPOやNGOへの寄付に対しても同様の控除の仕組みを導入した、他自治体の取り組みを参考に対策を講じるよう要望します。

次に、歳出です。
議会費についてです。
条例改正後の海外視察の宿泊費が条例上の基準額を大幅に超えていることを指摘し、超過理由や妥当性を検証するルールの整備を求めました。また、高額なガイド・通訳・添乗員費用の内訳や必要性についても、公費支出の透明性を確保するため、経費や視察報告の原則公開、視察成果の政策反映状況の検証、区民が支出の妥当性を判断できる制度の整備を要望します。

次に、総務費です。
例規集についてです。条例・規則についてはすべて掲載しているが、要綱については個別の要綱の性質に基づいて協議をしながら決めているとのことでした。今後、統一的な基準ができるかは研究するとのことですが、情報公開の観点から、すべての要綱を公開とするよう要望します。

経営企画費・空想係についてです。
2100年の姿を描く「共生社会ビジョン」の実現に向け設置された「空想係」は、3年目を迎え、年齢や役職を問わず意見を収集しています。「未来空想新聞2042」の制作などを通じて集まった未来のアイデアに対し、実現可能性を見極めながら、未来を生きる人々の思いに少しでも近づくよう取り組んでいくことを要望します。

続いて、DX推進費についてです。
DXは導入自体が目的ではなく、区民の利便性向上と行政の効率化を実現する手段です。メタバース区役所などの新規事業は、利用実績や費用対効果を検証すべきです。メール相談など既存技術で解決できる課題も含め、限られた財源の重点配分を求めます。

次に、危機管理費についてです。
水害リスクの高い本区では、災害時に区民の命と生活を守る実効性ある対策が不可欠です。マンションの電気室への浸水による停電なども想定し、リスクの高い施設の把握や止水対策の促進、排水ポンプ車の導入など、被害を未然に防ぐ取り組みを求めます。
また、災害時の迅速な情報収集に向けて、防災カメラや自営通信網、ドローンの活用は重要です。一方で、約100台のドローン配備や職員200人の資格取得計画については、機体の維持管理費や技能維持、経済安全保障上の課題も踏まえ、慎重な検討が必要です。当初の計画にとらわれず、技術や社会情勢の進展に応じた最も実効性ある活用法を検討すべきと意見を申し上げました。

次に、文化共育費です。

条例改正後の海外出張の宿泊費が基準額を超える場合の判断基準や手続き、区長に同行する職員が同等グレードの客室に宿泊する根拠、超過支給時の是正措置について質問いたしました。公費支出の妥当性を検証できるよう、宿泊施設や料金の比較、選定理由などの記録・保存を求め、海外視察の経費・報告書の原則公開や、政策への反映状況を確認できる制度整備を要望しました。

次に、生活振興費です。
各コミュニティ会館の貸室について、必要な設備や備品の有無、貸出可否がホームページ上で十分に確認できず、施設ごとの充実度にも差が見られます。誰もが利用しやすいよう、各貸室の設備や貸出備品を分かりやすく掲載するとともに、基本的な設備・備品の整備基準を設けることを求めます。

次に、環境費です。
ハトへの餌やり防止について、駅周辺での大量のハトへの餌やりによるふん害や衛生悪化、バスの急ブレーキ等の危険事例を踏まえ、実効性ある区独自の条例制定を求めました。 公共の場所のみならず、私有地から周囲に被害を及ぼす行為も規制し、指導・勧告・過料などの措置や相談・調査体制を整えるよう要望しました。

続いて、気候変動適応費についてです。
SDGsやカーボンニュートラルは、理念を掲げるだけでなく、具体的な成果が重要です。環境関連事業について、区内の二酸化炭素排出量がどれだけ削減されたのか、事業がどの程度寄与したのかを数値で検証し、効果に基づく事業の見直しを求めます。

第6次環境行動計画に関してです。記載されている石けん使用指針やグリーン購入指針は、区民がその内容を確認できない状況です。行政自らが遵守すべき指針を区民に公開することは、行政運営の透明性を確保するうえで重要です。次回改定を待たず、早急にホームページで公開するとともに、次期計画策定時には、関連するすべての指針を計画書に掲載することを求めます。

福祉費です。
生活保護受給者数が減少する一方で医療扶助費が増大し、医療扶助単給世帯の存在が見落とせません。国民健康保険料の負担が重いために生活保護の医療扶助に頼らざるを得ないケースを防ぐためにも、「他法他施策の優先原則」に鑑み、国保料の負担軽減策に早急に取
り組むよう要望します。

また、高齢者人口の増加に伴い、熟年相談室の役割が重要になる一方、人材不足による職員の負担増や離職が懸念されます。区として各相談室の欠員期間や応募がない原因を把握・分析するとともに、現在の委託費における人件費水準で専門職を確保できるのか検証し、必要な人員を安定的に確保できる体制を区の責任で整備することを求めます。

次に、子ども家庭費です。
保育の無償化に関しては、子育て世帯の負担軽減につながる一方、待機児童の発生や保育需要の増加にも目を向ける必要があります。預け先の確保だけでなく、認可・認可外を問わず、保育の質を高め、保護者が安心して選択できる環境整備を求めます。

児童相談所の里親支援についてです。
児童相談所「はあとポート」は6年目を迎えました。開設当初の子どもに寄り添う姿勢を、これからも大切に引き継いでほしいと考えます。また、里親への支援は形式的なフォスタリング事業で終わらせず、里親交流会などを通じて本音や弱音を受け止め、実効性のある支援体制をつくるよう要望します。

次に、都市開発費です。
データセンターの建設については、住民との対立や問題が生じる前に備えることが重要です。騒音や排熱、非常用発電設備への対策に加え、江戸川区特有の水害リスクも考慮する必要があります。先行自治体の事例を参考に、建設計画の早期把握、住民への丁寧な説明、防災面の確認、稼働後の継続的な対話まで含めた、区独自の予防型ルールの整備を求めます。

耐震補強制度の拡充についてです。
昨年度、建築指導課が関係する耐震絡みの補助金には、例えば耐震コンサルタント派遣をはじめ戸建て住宅の耐震設計助成や旧耐震の改修工事助成などがありますが、その件数は前年度に比べ軒並み減少しています。原因は昨今の建築費高騰にあることは明らかであり、本区での耐震性の劣る木造住宅約15,300件を放置させない為にも耐震補助金額の上限額の大幅な引き上げを求めます。

次に、土木費です。
都市計画道路補助第264号は着手から約20年が経過し、用地買収は99%完了、拡幅等が概ね進むもバリケードが置かれ供用未済です。早期から協力いただいた地権者の期待に応え、防災機能の向上や安全な交通環境を実現するため、迅速な工事完了と供用開始を強く求めます。

冠水・浸水対策についてです。
近年、短時間豪雨や線状降水帯による浸水リスクが高まっています。公共施設・公園への雨水貯留施設の整備を進めるとともに、家庭や事業所でも雨水を一時的に貯め、下水道への雨水の集中を抑えることが重要です。流域全体で水害を防ぐ観点から、雨水タンクの設置支援や雨水ポンプの稼働能力増強、ポンプ自体の漏電対策を求めます。

高規格堤防事業についてです。上篠崎地区の高台まちづくりに関しては、高規格堤防と一体のまちづくりが行われています。堤防の完成までには長い年月と多額の費用がかかり、住民の暮らしや権利に大きな影響を及ぼします。約40年前に創設された高規格堤防事業に固執するのではなく、気候変動による水害リスクの変化を踏まえ、住民の平穏な生活を守る視点から、住民参加で適切な水害対策や工法を検討し、事業の在り方を見直すことを求めます。

次に、教育費です。
学校図書館司書の配置に関してです。司書の役割は単なる環境整備にとどまりません。児童・生徒の読書活動の推進や学習サポート、情報リテラシーの育成をはじめ、教員と連携・協働した授業支援など、多岐にわたる専門性を発揮できると考えます。本来であれば全校配置が一番ですが、まずは巡回する司書について、司書の資格を持つ方の配置を要望します。

また、性教育については、「命の安全教育」であっても、人権的見地から外部の専門性を持つ講師を招いて、包括的性教育を進め、小中学校全校での実施を要望します。

上小岩遺跡についてです。小岩第三中学校教員が発見した貴重な埋蔵文化財「上小岩遺跡」は、新住民を中心に認知度低下が懸念されます。現在も北小岩コミュニティ会館等で一部閲覧可能ですが、地域の大切な歴史を継承するため、身近な地域でより多くの出土品や資料を鑑賞・閲覧できる環境のさらなる充実を望みます。

学校適正配置についてです。
少子化に伴い小岩地域でも単学級化が進み、築50~60年超の校舎が6割を超える中、学校統廃合や学区域見直し、バス通学の検討は避けられません。推計は困難を極めますが、将来の教育環境を見据え、統廃合に関する情報を地域住民へ極力早期かつ丁寧に共有・周知するよう要望します。

最後に、学校改築に伴う仮校舎についてです。
中小岩小学校では、事業者未決定のまま旧校舎が解体され、年3億円超の仮設校舎のコスト負担も大きくなっています。今後、極力仮校舎を用いない工法の採用を求めるとともに、校庭が使えないなど影響を受ける現役児童の体力育成や成長に対し、特段の配慮と支援を講じるよう強く求めます。
以上、超党会派えどがわの総括意見と致します。