意思決定支援に向けた取り組み ー 第4回区議会定例会の質問 ー
令和新撰組の船後靖彦さんご存じでしょうか。
私たち生活者ネットワークのメンバー有志も係り、ALS患者である船後さんを葛西区民館にお招きし、講演会を行ったことがありました。まだ、国政選挙にでる気配もないころのことです。
その時、船後さんは文字盤で入力して、電子的な声と文字でその思いを伝えられました。
ALSとは筋萎縮性側索硬化症といい、全身の筋肉がだんだんやせて力がなくなっていく病気です。自発呼吸も難しくなると、人工呼吸器をつけます。
私の知人も、突如発症しました。
意識があるにも関わらず、身体が自分の意思で動かせなくなることは、どれほど苦痛があることかと思います。
私は江戸川区に引っ越してきたばかりの2000年の頃、突如、片側顔面マヒになったことがあります。原因はわかりません。まったく顔半分が動かなくなるので、うがいはできないし、まぶたもうまく動かず、見かけも変わったのでとてもショックでした。なにより、私自身の中身は変わらないのに、周りの人が私を見る目を変わったことが一番のショックでした。
こんなにも見た目で判断されているのだと感じた出来事でした。
中にいる人は、同じなのにです。
3つ目は障害者の声を聴くことについて質問しました。
以下質問文です。
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最後に障害者の声を聴くことについて伺います。
今年9月に、障害者権利条約について国連の権利委員会による初めての審査が行われました。
日本は2014年に批准しており、今回の総括所見では評価された部分もありますが、数多くの改善勧告が出されています。
なかでも権利委員会が最も重視したのが、19条「自立した生活および地域生活への包容」と24条「教育」です。
国はこれまで障害のある人の施設から地域への移行を進めてきましたが、いまも約12万7000人が施設で暮らしています。本区においても計画的に地域移行を進めていくことが求められています。
そして、教育です。分離された特別支援教育の中止に向け、障害のある子どもも、ない子どもも、共に学ぶ「インクルーシブ教育」に関する国の行動計画を作ることが求められました。
しかし、現実には、情緒学級を作ってほしいという区民からの要望もあります。これは障害のある子どもを含むすべての子どもが、必要な支援を受けつつ、ともに関わり合いながら一緒に学ぶことができていないゆえの声だと受け止めています。教員の増員や、支援員を置くこと、作業療法士を含め多職種との連携が必要であるということに他なりません。
日本からも大勢の障害当事者が、この国連の権利委員会での審査において、市民としての発言にかけつけており、江戸川で暮らす当事者も参加し、その状況をSNSで発信していました。
「私たちのことを私たち抜きで決めないで!」という合言葉から始まった障害者権利条約ですが、今月、船堀駅北口で「相模原殺傷事件を忘れないinえどがわ」を2年ぶりにリアルで開催しました。
「地域で暮らしたい」「同じ学校に通いたい」「施設に入れるな」と、勧告されたことと同じ内容である障害当事者の思いが、シュプレヒコールとなって響きました。共生社会をつくるために、当事者の声を意識して聞き取ることが必要だと考えます。
そこで3点伺います。
1つ目は、来年2023年は、第7期江戸川区障害福祉計画及び第3期江戸川区障害児福祉計画の策定時期です。障害者手帳等を持つ、無作為に抽出した方と、医療的ケアを受ける方を対象に、障害当事者の声を集めたことは大きな前進です。調査票を送付してのアンケート実施をさらに一歩進め、当事者への直接の聞き取り調査をアウトリーチして行ってはいかがでしょうか。伺います。
2つ目は、計画策定段階からの当事者参画をすすめるため、江戸川区障害福祉計画及び江戸川区障害児福祉計画の策定委員会、および江戸川区地域自立支援協議会ともに、現在の委員構成を見直してはいかがでしょうか。障害当事者委員は身体障害者のみとなっており、知的障害、精神障害などからの出席はありません。当事者参画を進めることのお考えを伺います。
3つ目は、意思疎通支援から意思決定支援に向けた取り組みです。
本区では、手話言語条例が2018年に策定されました。庁舎入り口の受付には手話通訳者も配置され、その派遣も行われています。
意思疎通支援としては、手話言語の普及にとどまらず、知的障害、発達障害、重症心身障害、失語症、難病など、さまざまな方に対して、コミュニケーション手段の充実に取り組む事が必要だと考えます。障害は従来の「医学モデル」から「社会の側が作り出している」という考え方へと変わってきています。まず、障害当時者に意思があるということを、社会の側が改めて認識し直すことが必要です。
今後どのように取り組んで行くのかのお考えをお聞かせください。
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区長答弁
知的障害、精神障害言ついては本人でなく家族が参加している。家族も参加であれば本人も参加しやすい。今後も様々な当事者が委員として参加できるように検討していく。
コミュニケーション手段については担当部長から。
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福祉部長答弁
意思疎通支援から意思決定支援にむけては、今後はICTの技術を活用。当事者、区の職員、事業者への理解促進を図っていく。
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意見
障害当事者をエンパワーしていくこと、周りの意識を変えていくことも必要。障害当事者の保護者が一番の理解者であるように周りからは見えるが、当事者に聞くと、一番のネックはその保護者であることもある。と聞く。
本人の意思で決定できるように、情報提供や、聞き取るための工夫をし、当事者参画をすすめていくことを要望。