共に生きる社会をつくるために インクルーシブ教育を考える  第1回区議会定例会にて

第1回区議会定例会で取り上げたテーマの3つ目は

インクルーシブ教育についてです。

質問文は以下です。

 

答弁については、公式なものではなく、書き起こしたものということをご了承ください。

 

建設中の校舎の模型

改築校の模型

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最後に、共に生きるまちをつくるためのインクルーシブ教育について伺います。

日本は、2014年に障害者権利条約を批准しています。国連の権利委員会による初めての審査が行われ、2022年9月に出された総括所見の改善勧告の中で、緊急課題とされたのが、自立生活と地域社会へのインクルージョンと、インクルーシブ教育です。

日本の障害児教育は、さまざまな変遷を経て、特別支援教育を実施し、独自のインクルーシブ教育を構築してきました。

しかし国連の権利委員会は、特別支援教育の解体を言い渡し、分離を前提として成り立っている社会や学校をとらえ直すことを求めています。交流や共同学習を行ったとしても、分離教育は分離された社会につながるからです。障害の有無で分離した特別支援教育は、障害者がインクルーシブな社会で暮らしていく道のりを否定し、施設で暮らすことにつながります。真のインクルーシブ教育なくして、障害のある人の自立生活はありえません。

本区では、2021年に「共に生きるまちを目指す条例」を、2023年10月には「障害のある人が自分らしく暮らせるまち条例」を制定し、一人ひとりを尊重し、誰もが安心して暮らせるまちをめざしています。

 

①そこで、国連の権利委員会が、最も重視した19条「自立した生活および地域生活への包容」と24条「教育」への勧告に対する区長並びに教育長のご所見をお聞かせください。

 

2022年私が地域の方とともに行った上映会『みんなの学校』は、「不登校も特別支援学級もなく同じ教室で一緒に学ぶ、公立小学校のみんなが、笑顔になる挑戦」を描いたドキュメンタリー映画です。大阪市の公立小学校が、舞台です。現在も繰り返し、日本各地で自主上映会が行われています。

東京都国立市教育委員会は、「フルインクルーシブ教育」の実現をめざし、2023年5月に東京大学大学院教育学研究科と連携協力協定を締結しました。

国立市では、自閉症・情緒障害特別支援学級を設置し通常学級との交流や共同学習を行っていますが、分かれて学習することも増えているとのことでしたので、国連が勧告するインクルーシブ教育への実現に向けて、どのように取り組むのか注目していました。

2024年度は「これまで秋に送付していた就学通知書を6月下旬にすべての家庭に、学区の小中学校を通知する。特別支援学校を希望する場合は決定次第再発行する。」ことにしたそうです。

これまでは、障害のない子どものいる家庭には10~11月に就学通知を送付し、障害があり、特別支援学校などへの入学を検討している家庭への送付はその後でした。保護者が通常学級を希望した場合は、さらに遅れ、支援などに関する話し合いが入学直前の3月になってようやく行われていたとのことです。それを改め、6月下旬という早い時期に就学通知を送ることは、障害のあるなしにかかわらず、地域に暮らす子どもが、その地域の学校に通えることを教育委員会が示すことになります。

 

②そこで、本区においても、障害のあるなしにかかわらず、地域の学校へ通えるというメッセージとも言える就学通知を、就学時健診前の早いうちに送付することに取り組んではどうかと考えますが、ご見解を伺います。

 

本区の小・中学校の通常学級に在籍している支援を要する児童・生徒に対し、現在は学校生活介助等を行う障害児介助員が配置されていますが、学習活動上のサポートを行うなど、それぞれの困難さに応じた適切な教育を実施する上で、学校としての適切な対応が一層重要になると考えます。

 

③そこで、通常学級に在籍する児童生徒のより良い学びのための介助員の役割について、どのようにお考えか、伺います。

 

また学校という場で、障害のある子どもやその家族、受け入れる学校や障害のない子どもたちも安心できるよう特性に応じた環境調整や関わり方、集団への働きかけなど専門的支援を行う学校作業療法という取り組みが進められている自治体もあります。

その一つとして、保育所等訪問支援という保護者の希望により実施される児童福祉法のサービスを用いた方法があります。その名称から、保育所への訪問を連想しますが、幼稚園、認定こども園、学校、放課後子どもが過ごす場所など集団生活を営む施設に作業療法士などの専門家が訪問できます。

④ 本区での、小中学校においての保育所等訪問支援の受け入れ状況をお聞きするとともに、⑤利用をしやすくするために学校での受け入れ態勢を作ることについてのお考えを伺います。

 

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①区長答弁

江戸川区では、共生社会の実現のために、全ての人々が他人を自分と同じように大切にする気持ちを持つことが大切であると考えています。

今後も、教育だけではなく、文化スポーツ福祉や産業、健康など様々な角度から共生社会の実現に向けて取り組んでいく必要があります。

江戸川区が目指す共生社会、つまり、インクルーシブな社会を築いていくために、今の子どもたちがその実現に向けた教育を積み重ねていくことは、とても大切なことだと思っております。

しかしながら、障害の有無に関わらず全ての子どもたちが等しく教育を受けられるようにしていく、インクルーシブ教育の推進に向けては国の考え方を初め、様々な課題があるのも事実でございます。

インクルーシブの理念と現状のギャップをどう埋めていくのかが、今後の進むべき道だと考えております。

 

①以下教育長答弁

インクルーシブ教育における取り組み、私の考えも含めてお話させていただきます。

まず初めに国連のこの勧告に関してですけれども、私は日本の今の特別支援教育が決して分離教育だとは思っておりません。

やはり個別的、個別の学びと協働的な学びを大事にしたい、今の時点では、寄り添った、そうした教育になっているのがまだまだ課題でございます。

ヨーロッパのような、やはり国民的なそういった考えの広がり、そういったものも背景でございますし、日本でも今までの教育の良さ、そういったものもございますので、今のそういったインクルーシブ教育を大事にしていきながらですね、特別支援教育を否定するということには考えておりません。

具体的な取り組み等をお答えいたします。

各学校では、東京2 0 2 0オリンピックパラリンピックにより各学校において、障害者理解に向けた取り組みが進みました。

現在の学校に2020レガシーとして障害者理解を進めている学校もあり、卒業生でもある、パラリンピック水泳選手を招いた水泳学習。日本代表強化指定選手を招いて、車いすバスケットボール体験などが行われています。

総合的な学習の時間においては、ろう者協会から講師を招き、バリアフリーやユニバーサルデザインなど、全ての人たちが暮らしやすいまちについて、みんなで考える学習を行っている学校もあります。

また、区内にある都立特別支援学校の児童生徒との副席制度による小・中学校児童生徒との交流および特別支援学級の子どもたちと通常学級の子どもたちの交流、および共同学習が進んでいます。

運動会や音楽会、遠足などの行事での行事だけでの交流だけでなく、教科によってはともに授業を行っています。

さらに交流および共同学習の推進に向けて、令和3年度から1年に一、二校程度、教育課題実践推進校における実践研究を行ってきました。

交流および共同学習の具体的な方法や、通常の学級での多様な学びに対応できるような指導方法の研究を実施し、各校に広めることができました。

障害の有無に関わらず、経験を深め、社会性を養い、豊かな人間性を育むとともに、お互いに尊重し合う大切さを学ぶ機会となる、交流および共同学習等につきましてはこれからも取り組みを推進していきます。

次に就学通知についてお答えいたします。本区では学校地域の活性化等の観点から学校選択制を導入しています。

小学校対象者には7月、中学校を対象者には9月に就学指定校を記載した調査票を配布しています。

本区ではこの就学通知は一部を除き、就学相談を経た児童生徒を含め1月中旬に送付しています。

希望調査票は障害のあるなしに関わらず、通常学級の指定校を記載して配布しております。

その後いろいろ相談していただいたり、進路を考えることも含めて、一定の機会を設けております。

また他市町村の動向につきましては今後とも注視してまいりますが、現時点ではこの今後ですね、1月での通知発送を予定しているところでございます。

次に介助員についてお答えいたします。

介助員の職務の一つに、授業を受ける場合の生活介助が含まれており、学校生活において大きな役割となっています。

東京都の令和6年度新規予算事業において、インクルーシブ教育支援員配置補助事業について示されました。

内容は、特別に支援を要する児童生徒に適切な教育の場の判定および助言を行う就学支援委員会において、特別支援学校が適当と判定された児童生徒が総合的な判断により、公立小中学校へ就学した場合に、日常生活上の介助や学習支援を行う支援員を配置している市町村に対する補助事業です。

詳細につきましては現在、東京都において検討を進めているところであり、3月末ごろに実施要項が示される予定です。

本区におきましては東京都の実施要綱に基づき配置について研究してまいります。

最後に、保育所等訪問支援についてお答えいたします。

本区では学校生活において、集団生活への適応に課題がある児童生徒およびその保護者、担任等教員が相談したり、支援を受けたりする仕組みがあります。

例えばスクールカウンセラーは心理についての専門性を持ち、学校生活において、児童生徒が抱える様々な課題について解決のための助言や指導などを行っています。

またスクールソーシャルワーカーは、社会福祉などの専門性を持ち、児童生徒が置かれている環境に働きかけることで、問題解決に向けて支援を行っています。

さらには、医師や心理士、特別支援学校の先生などによる専門家チーム派遣を行い、児童生徒の学校生活における困り感について学校への助言も行っています。

保育所等訪問支援については、保護者からの依頼があれば、学校として実施することは可能です。

たくさんの専門家が児童生徒に関わり、より良い教育環境を構築できるよう、各支援機関との連携のあり方について、今後も研究してまいります。

 

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私から述べた意見

インクルーシブ教育について

今、国連が言ところであるインクルーシブ教育への向けての過渡期にあるのかなとも思っておるところです。

副席や交流のこともありました。そういった頻度を上げていっていただき、給食を一緒に食べるとかできることはたくさんまだまだあるかとは思います。

でも、ですね、大阪では、何年も何十年もかけて同じ教室で学ぶことに取り組んでいます。

支援学級に対しての通常の学級を原学級って呼んでいます。

出席簿も50音順で名前があり、支援学級の担任の先生や、介助員の方たちが在籍児童の状況や授業内容に合わせて教室に入り込んでサポートをしております。

この方式を原学級保障と呼ぶそうです。

ともに生きるまちを目指すにあたり、こういったやり方、大阪をは取っているっていうことですので、分離させない社会を作っていくには、教育現場が非常に大きく影響すると思います。

このような方法を本区でもとることができると考えますので、ぜひ研究をしていただき、検討していただきたいと思います。

また、通常級を希望した児童生徒が同じ場に単に置かれているだけとならないように、先ほど東京都の支援員の話も、インクルーシブ支援員の話も出ましたが、そういった学びの保障を確実に進めていっていただくことを要望します。

またですね、今年は教育大綱の見直しが予定されています。

原稿の教育大綱の中では、子どもは社会の宝、希望であると言いつつも、家庭、地域、社会が基本となり、子どもの人権については触れていません。

2021年に制定した江戸川区子どもの権利条例をもとに、子どもの権利が反映された、大綱となることを要望いたします。