気候危機に対応したまちづくり 本会議質問③
「ここにいてはダメです!」 という江戸川区のハザードマップを覚えていますか?
驚いた方が多いのではないでしょうか。
2019年の台風19号により、江戸川区では避難勧告が出されました。これにより、
「江戸川区から引っ越した方がよいでしょうか」と区民から相談されたり、
「江戸川区に引っ越すことを取りやめました」と告げられたこともありました。
私自身2000年に引っ越してきました。
江戸川区については、「小学校の時に海面より低い土地に暮らすまち」として教科書で学びましたので堤防に守られた土地に住んでいることは自覚していました。
議会に入ると、越水にも強い堤防整備のためにスーパー堤防(高規格堤防)整備を進めていることを知りました。
今の整備のペースであると400年以上もかかります。しかも、知れば知るほど、この事業って何のために行っているのだろうという疑問が湧きました。
本当のところはどうなんだろう。
なぜかというと、
江戸川区は堤防に囲まれた土地です。
江戸川と荒川に挟まれています。
そして特に危険なのは荒川の氾濫です。
その荒川については堤防の高さ(余裕高)が足りないところがあります。
具体的に言えば、京成線の荒川橋梁です。
ここは、江戸川区でも、近隣自治体と共に橋梁のかさあげについて要望をしています。
しかし、その上流の橋梁も、堤防の余裕高がそれほどないのです。
それにもかかわらず、かさ上げの話すら出ていない状況です。
江戸川沿いの高規格堤防を整備するよりも、江戸川区民を守るなら、まずは荒川の河川整備なのでは。。。。そう感じています。
つまりはそれほどの危機的状況との認識はないということなのか。。。と思いました。
そして、今は気候危機の時代の豪雨対策が必要です。
道路が冠水することがあります。
その対策をすることが、まず必要ではないでしょうか。
今回はその点を質問しました。。
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質問文は以下の通りです。
「気候変動」という言葉から、今や「気候危機」という言葉が使われるようになりました。水害が激甚化、頻発化する今日、ゼロメートル地帯での住民生活を守るためには、速やかに適切な水害対策を講じることが不可欠であることは言うまでもありません。
江戸川区での水害は、昭和33年以降、すべて内水氾濫であり、ここ数年においても浸水被害が起きています。これまでの1時間降水量50ミリの下水道整備の状況では処理しきれない、いわゆるゲリラ豪雨が降るようになっています。
気象庁の報告書によると、1 時間降水量50 mm 以上の年間発生回数は、1976~1985 年平均では 1,300 地点あたり約 226 回でしたが、2018 年までの10年間の平均では約 311 回と約 1.4 倍に増加しています。将来はさらに増加することが予想されます。大規模水害に限らず、水は低いところに集まるため、道路冠水マップからも、本区で浸水被害が繰り返されていることがわかります。
江戸川区では都市計画マスタープランに基づき災害に強い街の形成を図っています。しかし、そこには、大雨による冠水や浸水などの被害を未然に防ぐための対策としては、区民が身近に使える土のうステーションを被害の多い地域などを中心に区内各所に設置していることに留まっています。
治水の観点に加え、本区の「SDGs未来都市等提案書」にあるとおり、「水害への備えが充実した都市生活の実現」の観点も踏まえ、3点質問いたします。
まず1点目は
都心部では、下水道管を現在の1時間降水量50mmから75mm以上に入れ替えが進んでいます。江戸川区でも早急に変更する必要があり、とりわけ被害を何度も受けているエリアでは速やかに進めるべきと考えますが、区のお考えと現在の進捗を伺います。
2点目は
集中豪雨に対応するため、一時的に雨をためて下水管にかかる負担のピークをずらす、雨水流出抑制を進めることが大切です。現在の地下貯留施設は、学校改築や道路整備の機会をとらえて設置したり、公園にも貯留をしているとお聞きしております。もちろん一定規模以上の開発や建築に対し、雨水貯留施設を整備することになっておりますが、これをさらに気候危機に対応したものにしていく必要があります。
江戸川区においては、こうした、雨水流出抑制について、具体的にどのように対策を講じていくのか、また、都市マスタープランにある民地などでの貯留、浸透設備の誘導はどのようにしていくのでしょうか。伺います。
3点目は、住宅や店舗など、建物への水害への備えです。
区内の住宅をみると、これからの気候危機に対応できるのだろうかと感じることがあります。例えば、半地下の駐車場や、半地下に入口がある住居、あるいは、道路面と高さがあまり変わらない、フルフラットのマンションの1階住居があります。下水道で処理できない水があふれることがあれば、たちまち浸水の危険性が増します。
雨水ますの掃除や、その上に物を置かないことで、雨水が流れ込むようにすることや、土のうステーションについて周知を行うことは必要ですが、そもそも水害に備えることができる住宅や建物を建てることが必要ではないでしょうか。
地震災害に対しては、耐震改修促進計画を立てて、建築物が倒壊しないように、戸建て住宅には耐震コンサルタント、戸建て住宅以外にはや耐震アドバイザーを派遣し、耐震診断を行い、耐震化への助成を行うことなどに取り組んでいます。
気候変動適応センターも作られた本区において、住宅を新築する際、水害への対策を講じる検討をすることや、既存の住宅への止水版の設置を進めていくための補助の考え方など、まちづくりに豪雨による水害へ備えるための計画を策定してはいかがでしょうか。 お考えをお聞かせください。
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区長からの答弁は。。。
先輩たちの努力のおかげで1995年(平成7年)に下水道の整備は100%に達することができた。
中里区長の選挙公約は雨が降っても長靴をはかなくていいまちづくり。
今はもう江戸川区そういったことはない。
下水道は東京都。時間75ミリの対応の必要性を感じないというわけではない。
現在は、50ミリ対応の排水能力の補完として、道路の下、あるいは公園や区民施設、学校の地下の貯留施設を、懸命に作っている。道路も透水性のある舗装の整備を進めている。緊急に必要な部分についてはバイパス管を新設したり下水道ルートを変更している。
都市開発部長からは
雨水流出抑制についてどのような対策を講じていくかは、公園整備に合わせた貯留施設、透水性の歩道の舗装、学校改築や公共施設の地下に雨水を貯留させる。これまで約63,000立米の貯留性能を確保。
民間については、2013年より、住宅整備基本条例に雨水貯留槽を設ける規定を義務化。2020年までに56件、貯留総量1万立米となっている。
今後も取り組みを継続。
土木部長からは
住宅や建物の水害へのそなえについて答弁。道路冠水履歴マップを公表。住宅などの建築時の参考としてもらっている。洪水ハザードマップ、大雨への備え、リアルタイムの降雨データの提供でひとりひとりが備えていただく。
とのことでした。
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区としては、内水氾濫という浸水への備えは、個人の努力の域を出ないということがわかります。
ですが、これからのまちづくりには、それでよいのでしょうか。
そこで再質問しました。
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気候危機の時代の水害対策というところです。局地的豪雨に対して、水害リスクに備えるための、まちづくりの計画が必要だという観点からの質問です。
例えば、千葉市では局地的な大雨などに対応できていないことから、2021年度から3か年をかけて、千葉公園に貯留量1万200立法メートルの整備工事をすすめています。道路冠水や住宅の浸水が繰り返されているのですから、こうした対策を、全体的な計画をもって行っていくことが必要と考えます。
地区計画を作る場合、消防自動車が入れないなど、火災という観点からの問題提起をされているのが現状です。
これを、浸水という観点からもまちづくりを進めていくことが必要です。いかがでしょうか。再度伺います。
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土木部長答弁
下水道は東京都が長期的な目標として75ミリの対応をかかげている。これが計画そのもの。東京都とは様々な議論をしている。
住民のかたに自ら備えていただき、内水対策をしっかり推進してまいりたい。
とのことでした。
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東京都とは議論しているが、、、
またしても、個人の努力。
そこで以下を言い置きました。
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気候危機の時代、浸水対策について、区民がわかるように全体的に理解できるような計画を持つことが必要。
今後増える見込みである豪雨に対して、浸水が繰り返されないように、まちづくりを示していくことを要望する。