2021年度当初予算は強気の2,777億円

江戸川区の予算はいくらくらい?

なんと約2, 777億円です。昨年より113億円も増加しました。

そういわれても、全く想像がつきませんよね。

 

江戸川区のHPで予算概要を見ることができます。

リンクを貼ります。

江戸川区当初予算の概要

 

 

他自治体の多くは税収減などを理由とした縮小した予算を組みましたが、江戸川区は財政調整基金に積んできた412億円から、125億円を取り崩し、施策を推進していく姿勢を打ち出しました。

今年度力を入れていくのはここです。

1 SDGsの推進(共生社会の実現)
SDGsを達成するため、全区民がSDGsを「知る・理解する」こと から「考える」・「行動する」に繋がるよう様々な普及促進事業を展開する。

2 脱炭素への取組
気候変動適応センターの設置により、地域における温暖化対策と気候変動適応策を強化し、脱炭素社会の実現に向けた取組を推進していく。

3 デジタルトランスフォーメーションの推進
行政手続きのオンライン化やICTを活用した業務の効率化等を推進し、区民サービスの向上を図る。

 

予算特別委員会では、伊藤ひとみ、よぎ、本西みつえの3人で交代しながら審議しました。

 

 

総括意見は以下の通りです。

 

2021年度江戸川区一般会計歳入歳出予算及び各特別会計歳入歳出予算について、生活者ネットワーク・立憲民主党の総括意見を申し上げます。

2020年度は、新型コロナウイルス感染症に翻弄された年でした。 感染拡大防止のために、人と人との直接のつながりを断つようなウイルスは、私たちの暮らしに大きな影響を与えました。

2021年度は、積極的に基金を活用し、区民の生活を支えるために、他自治体とは異なる大きな予算編成となりました。感染症対策に加えて、SDGs、DXの推進、そして脱炭素社会への取組みの3つの視点が掲げられました。

なかでも脱炭素社会への取組は、かねてより私たちも提案や要望をしてきているところであり、特に地球規模での気候変動が進み大災害が頻発していることから、今まで以上に積極的に取り組む必要があると考えています。 また、SDGsを区民に周知し、ニーズに対応すると同時に、その成果を可視化するためにもデータの蓄積・管理など、区のICTの強化、ビジネスインテリジェンスなどを導入した予測型ICTへの変革が必要だと考えます。

新型コロナウイルスの影響が色濃く残ることが予測される中で、感染防止対策を取りつつも、脱炭素社会に向けてだけではなく、子どもの権利の保障、共生社会を実現するための施策に取り組む姿勢を鑑み、第1号及び第2号から第4号までの各予算案に賛成いたします。

修正案に関しましては、一部の趣旨については、理解できるものですが、全体としては反対いたします。

審査の過程での意見や要望については、今後の施策に反映するようお願いいたします。

主な事項について、申し上げます。

 

まず住みやすいまちにするための環境への取組みについてです。

新しく組織する「気候変動適応センター」「気候変動適応課」については、全庁での横断的な対応を期待するものです。

「エコタウンえどがわ推進計画」の見直しについては、数値目標の達成が終わりではありません。 さらに維持し推進していくこと、そのためにも、「気候非常事態」の宣言を行うことを要望いたします。

 

次期計画される「Edogawaごみダイエットプラン」については、これまで以上に強化する対策を盛り込み、生産者がごみを出さない製品づくりを推進すべきと考えます。 また、私たちの出すごみが、地球の気候変動に大きく関与していることの周知を要望いたします。

また、建替え工事に入った江戸川清掃工場の敷地内で出土した汚染土は、 二重三重の封じ込めを行っているとはいえ、封じ込め槽の劣化も考えられますので、東京二十三区清掃一部事務組合だけに任せるのではなく、区としても、定期的に環境調査を行うことを要望します。

 

横断的な対策が必要なまちづくりについて

脱炭素社会の実現には、都市計画の在り方がとても重要です。 現在の取り組みに加え、新築住宅に対しては「環境エネルギー性能検討制度」を設けることや、既存建築物の省エネ診断を取り入れ、省エネ改修を進めていくことも考えられます。事業者や区民に対して情報提供をするとともに、断熱性能を高めた施設を率先して示し、省エネ改修を体感する機会をつくることで、区内事業者の技術の向上や活性化にもつながります。全庁挙げての積極的な取り組みを要望します。

災害時の危機管理については、区民に向けて、避難の前後も含めて、気象・交通・避難所・物資の在庫など、総合的な情報を提供する「災害ダッシュボード」の早期構築を要望します。

また、気候変動による台風や大雨での洪水にそなえ、ポンプ場の耐水化や既存堤防が連続して、その効果が発揮できるように、優先して整備を行い、スーパー堤防整備方針については、見直すことを要望します。

スーパー堤防と一体で行う、上篠崎一丁目北部土地区画整理事業については、盛り土された上に新たに造るまちを、目でみてわかるように、立体模型を作成し、車いすでも住み続けられるまちづくりとなることを要望いたします。

また、船堀駅周辺地区のまちづくり基本構想案において、高台まちづくりとして、デッキと建物群の接続をうたっていますが、平常時と災害時の利用という二つの観点を持つことを要望します。

 

要配慮者への施策についてです。

介護職員不足など、事業所の経営がますます厳しくなることが予測されます。介護保険サービスが安定して提供されるよう、事業所への支援を行っていただくよう要望します

居住支援については、高齢者だけでなく外国から来られたかたなどが、住宅を借りにくい状況にあります。住宅セーフティネット制度における登録住宅を増やしていくことが必要です。 また、児童養護施設退所後の子どもたちやフェアスタートをきることが難しい方々への住宅の提供と合わせて、ソフト面でのつながりを付けた、空き家活用の方法もあると考えます。 多くの区民に関心を持ってもらえるように、広く公募し、選定には公開プレゼンテーションや区民投票を行うことを求めます。

 

障害を気にせず、地域で自立した生活ができることが共生社会だと考えます。 ハード面、ソフト面でも整っていないのが現状です。 成人後に自立した生活を送ることができるよう支援計画を立てることを進め、現段階においては、在宅での暮らしを支えるために、障害福祉計画・障害児福祉計画に、介護者支援を位置付けることを要望します。

また、自立支援協議会の在り方を見直し、具体的な検討を行うための部会を設置するなど、障がい当事者、支援者双方の声を大切にしたまちづくりとしていくことを要望します。

 

次に子育てについてです。

産後うつや虐待予防には、ポピュレーションアプローチである子育てひろばや一時保育の役割は、とても大切です。新型コロナにより利用が制限され、孤立させない子育てができる環境を作ることが難しい状況に陥っています。

 

地域で子育て支援に取り組む団体や個人が参加して、現況を話すことのできる場を創設し子育て子育ちを見守る地域づくりに取り組み、その声が子ども子育て応援会議へとつながるよう要望します。

育成室には、幼稚園や保育園と併用している子どももいますが、共生社会の実現にむけて日常生活の場において、「本人のできる」を整えることの専門家である作業療法士による保育所等訪問支援を行うこと、さらに小学校などにも保育所等訪問支援を行うことに力を入れていただくよう要望します。 育成室や保育園においては、医療的ケア児の受け入れも進めていただくようお願いします。

また、3歳児検診の視力検査では、将来の視力の低下を予防できるスポットビジョンスクリーナーでの検診を要望します。

 

最後に教育についてです。

教育は、社会構築、次世代構築の基盤です。 グローバライゼーションが増え、好き嫌いがはっきりしてきた中で、子ども一人ひとりに合った教育を提供し、進路指導には、好き・嫌い、向き・不向きなどのデータを蓄積して使用していくような構想の検討を要望します。 また、子どもの学びを保障するため、SSWを早期に増員するなど、区の姿勢を示していくべきと考えます。混合名簿の利用、制服着用の自由化、性教育については、積極的な対応を要望します。

また、多文化共生に向けて外国人児童に対する日本語支援と日本人児童に対する実践的な英語教育の更なる強化を要望します。外国人が多く通う小中学校においては、英語やその他の言語ができる教員の計画的な配置を要望します。

 

来年度には共生社会推進条例、公契約条例、子どもの権利条例など重要な条例の制定を予定しています。それぞれに関わるすべての関係者のマトリックス分析を行うなど、誰一人取り残さない包括的で先進的な取り組みを期待いたしまして、生活者ネットワーク・立憲民主党の総括意見といたします。