種子法廃止・種苗法改正 江戸川分場は何をしているところ?
2018年に種子法が廃止され、コメ、麦、大豆という主要農作物の種子を安定供給するため法的根拠がなくなることを知りました。江戸川区にもかつての農業試験場があることを知り、今回、東京都農林総合研究センター江戸川分場を見てきました。
今の名前は東京都農林水産振興財団ですが、1900年に東京府立農事試験場が立川に設立しました。なんと120周年。
江戸川分場は90年前から鹿骨の地で小松菜の研究を続けているそうです。
この地にあっている品種はどれなのか、200種類もある小松菜から選んで栽培しているそうです。
最近はルテインがほうれん草ほどではないが、たくさん含まれているので、加工食品への利用促進を目指して研究しています。
気になっていた、品種を作るとか種を作る事について聞きました。
ここでは、15年くらい前の葛西菜が最後の品種。
こまつなの固定種である「後関晩成」は、その権利を元の種苗会社から日本農林社が買って種を販売している。
農家も固定種であっても、種苗会社から購入しているとのことでした。
種とりをして、栽培しているのは小規模農家。
馬込にんじん、寺島ナスはまだ種が売られていないため研究しているとのことでした。
2017年からは江戸東京野菜生産流通拡大事業として、都内産野菜のブランド化を図り、
どう種取りをするのかなど、江戸東京野菜のマニュアル作りも行っています。
立川では路地栽培用イチゴ「東京おひさまベリー」を作ったそうです。
東京は品種登録をするが誰でも作ってくださいよと言うスタンスだそうです。Amazonで売ってますよと!
小松菜に戻りますが、今はカット野菜がとても売れている。カットしても変色せず、葉が厚く、量が多いものが求められている。
結局は消費者が求めるものが作られることになるのだなあと今更ながら思うのと、F1品種ということ。
F1品種とは、1代限りの植物です。その種を取って植えても、同じものは作れません。
そしてそのほとんどの種子は外国で作られているという事を確認してきました。
また、東京では圃場が1000haを切り、1996年(H8年)までは農業試験場は必置であったが、1997年(H9年)からは補助金事業となったとのことでした。
食の自給率を高めるのって、大変なことだと改めて感じました。
だって種がないと、自給自足も何もできないのですから。
おそろしや。