区民の集い ー児童虐待を防止するための対策と地域の役割についてー

第27回区民のつどいが8月26日タワーホール船堀大ホールで行われました。

迫力ある演奏でした

江戸川区保護司会、更生保護女性会、BBS会、桐友会主催です。

戦後、親を亡くした子どもたちが非行に走らないようにと始まった社会を明るくする運動も第67回目となります。

★ 江戸川区立葛西第三中学校吹奏楽部による演奏 ★

吹奏楽の演奏に加え、素敵な合唱も披露しました。

 

★ 中学校標語コンクール表彰式 ★

1000人の応募があったそうです。会長賞など表彰されました。

表彰式

 

★ 講演 / 「明るい未来を子どもたちに」 ★
     ~児童虐待を防止するための対策と地域の役割について~
講師:作家/ジャーナリスト 石川結貴氏

「子どもホームレス」という、ジャーナリストとして取材からわかるリアルな現実をお話しくださいました。

個人情報保護や、不審者対応で、「知らない人に声をかけられても話しちゃいけません。」と言われながら子どもたちは育っています。

本来なら遊べるはずの公園には、「サッカーをしたら警察に通報します。」という看板もたてられています。

このような社会の中、両親と暮らしながらその家庭自体がホームレスである子どもの話に、会場からはため息が漏れていました。子どもである彼が学校にも行けずに、毎日の食事にも事欠き、やっと就職したかと思えば、雇用契約書の確認をしっかりせず、自身の生活習慣により遅刻が多いことで、もらえる給料も少なくなるという厳しい現実がありました。現在は人を殺めてしまい服役中という凄惨な人生を送っています。

石川先生は、こうした子どもや家庭は自分たちの身近にある。いつも家に上がり込んでなかなか帰らないその子どもの背景を知ること。私たちにとって加害者に見える子どもが実は被害者であるということ。

親子を支えるためには…

どこかで気づくチャンスがあったはず。学校の連携や教育委員会間での情報共有がなされていれば…。身近にいた人がもう少し気にかけていれば…。

不登校の子どもは10万人います。子どもの数は減っているのに不登校者数は変わっていません。

子どもにとって子ども時代がどれだけ大切か。当たり前に育たなかった彼らにとって、社会の当たり前は難しいということ。年齢が来れば自動的に卒業し、社会にほうりだされるのです。

JKビジネスの実態もどんどん変わっているとのことででした。

今は店舗はなく、スマホがあれば、JKビジネスに取り込まれていきます。スマホ越しにお話をしたり、下着姿になったりと、抵抗感をあまり持たずに入り込んでしまいます。

そして報酬は電子マネーで支払われているとのことでした。

スマホの普及により、子どもの実態は見えず、また貧困が外から見えにくくなっています。

 

親たちも行政の支援につながることができません。

支援があることを知らない。

手続き方法がわからない。

ルールや約束事が苦手。

 

背景を想像できると見え方がガラッと変わると感じました。

孤立する親子を救うためには、ポスターが役所に貼ってあるだけではいけない。

目につくゴミ置き場などに、「189という虐待の相談の電話番号」など、わかるように掲示することが必要だとおっしゃっていました。

 

江戸川区にも2020年に児童相談所が開設されます。

「189」と電話すれば、今は東京都の児童相談所にかかりますが、江戸川区に直接つながることになります。

虐待通報は江戸川区子ども家庭支援センターでも受け付けています。

相談窓口が多くの人にわかるようにしていくこと、どちらにかけても、支援のすきまに落ちてしまわないよう対応していくことが必要です。