熟年者支援特別委員会報告
今年は熟年者支援特別会委員会に入ることができました。
団塊の世代が後期高齢者になる2025年を目指して、高齢になっても地域で暮らせる街にしていくことが望まれているのですが、生活支援が介護保険ではなく、地域支援事業になるということは、自治体ごとで高齢者の暮らし方に違いができてくるということです。
一人暮らしの方や、娘や息子と一緒に暮らしていても、日中は仕事に行ってしまい独居の方もいらっしゃいます。高齢になっても安心して暮らせる地域を作っていかなくてはなりません。
今回の委員会では地域包括ケアシステムの拠点である「なごみの家」についてと、熟年者の健康づくりについての委員研修会がありました。
なごみの家は5月7日に3か所、小岩、松江北、長嶋桑川にオープンしました。
区内15か所を目標としています。
ここでは、身近な相談場所としての機能もあります。
まだ開設して2か月と少しですが、7月17日までで162件の相談がありました。区役所に来なくても、身近な地域で何でも相談を受け付ける場所と、しかもワンストップで受けること、制度のはざまのことに対応していける場所です。開館日も火曜日から日曜日、9時から17時半となっています。
また居場所としての機能も持ち、熟年者も障がいをお持ちの方も、子どもたちも集える交流の場所です。子どもたちへは学習支援や食事の提供もあります。
子ども食堂を開催したところ(当面は月1回)、6月は小岩14名、松江北22名、長嶋桑川14名、7月は小岩19名、長嶋桑川8名の利用があったそうです。
まだまだ、たすけあいの拠点として知られていないので、まずは誰でも気軽に入ってよいということを知ってもらうことが必要かと思われます。
地域包括ケアシステムが回っていくには、地域の力が不可欠です。顔の見える関係づくりを目指して、地域支援会議を開催したところで、その中で出てきたことを、徐々に実行に移していくそうです。各なごみの家には20-30人のボランティア希望の方がいらっしゃるそうです。期待したいですね。
また、見守りをしてほしいといった方に、一軒ずつなごみの家から訪問しているそうです。
ただこれは見守りしてほしいということを意思表示された方です。本当に支援の必要な方はなかなか表面に出てきません。その方たちを把握して、そっと見守る体制を作ることが必要なんです。意思表示されてない方についても目を配っていただきたいと思います。
足立区では「孤立ゼロプロジェクト」と題し、すべての高齢者を訪問しています。不必要という申し出が出なければ、協力者による訪問が続きます。同じように見えますが、実際はかなり異なってくると思います。
民間ではどこにどういった人が住んでいるかという情報を持ちえませんし、住んでいる人も玄関を開けることはありません。そういった意味でアプローチをぜひ行政にしていただきたいところでした。
が…江戸川区ではまずは「なごみの家」という拠点を作ってから始めるという形をとったのですから、目標は同じです。高齢になっても暮らせるまちをつくること。この方法でいくことへのチェックをしっかりとしていきたいと思います。
もう一つ、熟年者の健康づくりについては、江戸川区の主要死因の特性や医療費の状況の説明がありました。
江戸川区民の主要死亡原因は、悪性新生物(悪性腫瘍や肉腫など)、その他生活習慣病は国平均、東京都平均より高くなっています。逆に老衰はその逆となっています。
医療費についても、悪性新生物を除く生活習慣病の割合は、医療費全体の60%を占め、特別区、東京都平均より高くなっています。そして、年齢階層別の生活習慣病関連疾患の医療費は、30歳代から上昇し始め、60歳代になると急激に高くなります。その中でも高血圧症が一番多くなっています。
そのようなことから、生活習慣病予防のため、減塩大作戦をとっているところです。
本人の意識をまずはつけるということは大切な試みです。
それとともに自然に薄味に慣れていくしかけをしていくことも必要かと思います。2年ほど前にイギリスの国を挙げての減塩作戦がNHKで放映されたかと思います。加工食品に含まれる塩分を減らすことで、知らず知らずのうちに減塩していくのです。じわじわと少しずつ取り組んでいくことの大切さを感じます。本気でやるなら食品業界を巻き込んでの取り組みが必要ですね。
ところで今日、元気な後期高齢者の方から声をかけられました。
会社を定年したあと、生きがいがあれば、いつまでも元気でいられる。そんな仕組みを作りたいとのことでした。
地域にはそういう思いを持った方はいらっしゃるんです。うまくその方たちの力が活きていく場所を生み出せたらよいですね。