住宅確保要配慮者の住まい探しが円滑に進むために 2025年第4回区議会定例会

2点目の質問は昨年2024年の第4回定例会で取り上げた、「誰にとっても安心な住まいが得られるために」ということです。

昨年からこの間、居住支援協議会についての江戸川区のホームページをチェックしていたのですが、なかなか更新されません。どのように進んでいるのか全く見えなかったため、今定例会でも質問で取り上げることにしました。

 

住まいは本当に重要です。

高齢になり、2階に階段で登るのはそろそろ難しくなってきた。

住み替えようと思っても、体は動かないし、家の中にはものがあふれてしまっているし、片付けもなかなか容易ではない。

1階に住めれば、時間がかかっても、まだ、1人で買い物にも行くことができるのに。。。というようなことがあります。

そもそも判断能力も以前より低下していることもあります。

いざ借り換えようと思っても、幾重にも課題が押し寄せます。

 

 

離婚して子どもと新生活を始めるにあたっても、住宅確保は課題です。

子どもを抱えての就労では、まだまだ十分な収入を得ることは難しいものです。

最初の何年かでも家賃が安くなればどれだけ助かることでしょうか。

 

 

若い人たちも、結婚しても家賃が高くて子どもを望めない。という声があります。

お隣の千葉県に比べて、いろいろと東京都には子育て支援策があるみたいだけれど、よくわからないし、家賃が高すぎる。どうすればいいのかな。

 

 

そんな声が私のもとには届きます。

 

もちろん家主側の生の声もです。

 

生活保護受給者に貸していたのに、突然亡くなり、その後の処理は結局、全部負うことになった。行政は、金目の物を持って行っただけ。もう絶対貸さない。

とか、

孤独死すると、その部屋だけの価値が下がるのではなく、アパート全体の評価が下がる。だから高齢者、障害者には貸せない。

などです。

 

貸す側も借りる側も、様々な支援策をトータルで考えてくれることが求められています。

安心して暮らせる良好な住まいを増やしていくことが本当に大事なのです。

 

通告

2.住宅確保要配慮者の住まい探しが円滑に進むために
 (1)住宅施策の今後について
 (2)入居を断らない住まいを増やしていくために

 

 

日が暮れた後の街灯の写真

住まいさがしが円滑に進むために

 

以下質問文

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次に、低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子育て世帯、LGBTQ、外国人など、住宅確保要配慮者が住宅を借りやすくすることについて伺います。

 

昨年第4回区議会定例会では、居住支援協議会の充実や活性化、相談会の拡充について取り上げました。区ホームページに掲載されている協議会の実施記録を拝見しますと、新たにUR都市機構が構成員として加わったことは評価できるものの、協議会自体の開催頻度には変化がなく、住宅相談会の参加者数も大きく伸びていない状況が見て取れます。

 

本年10月からは、改正住宅セーフティネット法が施行され、「居住サポート住宅制度」が新たに始まりました。国土交通省によると単身高齢者は2020年の全国738万世帯から、2030年には887万世帯へと約150万世帯増加すると見込まれています。しかし、孤独死や認知症等への不安を理由に、入居を断られる事態が後を絶ちません。

公営住宅の大幅な増加が見込めない一方で、空き家は2003年の659万戸から2023年には900万戸と、民間住宅には空き家・空き室が増え続けています。

こうした状況の中で、住宅セーフティネット制度の「登録住宅」は重要な役割を果たします。

「住宅確保要配慮者の入居を拒まない住宅」、「要配慮者のみが入居できる専用住宅」の両方が位置づけられています。この登録状況を国の情報提供システムで確認したところ11月26日現在、東京都全体では6,042棟・56,024室が登録され、空き室として登録されているのは356棟1,629室です。本区では176棟・1,865戸、そのうち空き室として登録されているのは11棟65室にとどまり、区内の空き室登録は非常に少ない状況です。

住宅確保要配慮者の人数は住宅市場全体からすれば多くないかもしれませんが、切実な住まいのニーズがあり、セーフティネット住宅情報提供システムへの空き室掲載は、借りたい方にとって大きな意味を持ちます。国の家賃低廉化補助の活用を行うことで借りる側にとってのメリットも高まります。

東京都は専用住宅の整備に補助金を出していますので、国の改修費補助とあわせて活用すれば、家主にとっても古い住宅を刷新できる機会になります。

本区においても2020年から始まった、独自の空き家改修工事等助成事業がありますが、過去1件にとどまっており、最近の利用はないと伺っています。これらの制度を積極的に活用し、登録住宅を増やしていくことが必要だと考えます。

 

また先日、居住支援法人であるホームネット株式会社からお話を伺いました。

家主からは、「入居者の高齢化に伴い、孤独死、認知症、家賃滞納、保証人や緊急連絡先が心配」などの不安が高まっていることや、若者に人気の設備投資(宅配ボックス、無料Wi-Fiなど)には資金的な余裕がないとの声があるそうです。

不動産会社も、高齢者からの問い合わせは増えているのに、紹介できる物件がない、高齢者の受け入れはオーナーに提案しづらいそうです。

孤独死対策については、高齢者に限らず課題であり、実際には孤独死は60代がピークで約8割が男性、第一発見者は管理会社が23%と親族と同程度であり、発見までの平均日数は18日とのことです。高齢者について、直截に言えば、一度入居すれば長期入居となり、事務負担が少ないという利点もあるとのことでした

 

今回の制度改正では、賃貸借契約の相続防止、残置物処理、家賃滞納リスク軽減など、家主側の不安を減らす仕組みが整備されました。さらに、居住支援法人が安否確認や生活支援を行う「居住サポート住宅」の認定制度も始まりましたが、現時点で東京都の登録はゼロ件です。区として積極的に取り組む必要があります。

以上を踏まえ、2点伺います。

 

1点目は、住宅セーフティネット住宅および新たに創設された居住サポート住宅について、江戸川区として増やしていくことが必要だと考えますが、今後どのように取り組まれていくのでしょうか。ご見解を伺います。

 

2点目は、登録住宅を増やすためには、家主に対して積極的な働きかけが不可欠です。国や都の補助に加えて、江戸川区独自の空き家改修補助制度や、「まもる君」設置補助などの、具体的な活用事例の紹介や説明会を開催することについてのご所見を伺います。

 

 

区長答弁

1 支援策を区ホームページで周知する。居住サポート住宅は国の補助を活用し家主が安心できる仕組みを検討して住宅供給拡大を進める。

 

2 区ホームページ等での情報提供やセミナー開催等により、住宅供給への環境づくりを進める。

 

 

申し述べた意見

家主も住宅確保要配慮者も安心できる住まいを増やしていくには、多くの居住支援法人との連携は欠かせません。居住支援法人の役割が有効に機能するには、良好な住宅ストックがなければ始まりません。セーフティネット住宅の家賃低廉化事業については基礎自治体がしくみを持たなければ、借りる側は補助を受けることはできません。ぜひしくみを整えてください。

また、さまざまな補助制度などをホームページにまとめて掲載していただくことはぜひやってください。それに加えて、セミナー開催時には、不動産会社や家主向けに、居住支援法人などが、具体例を用いた説明会の開催を要望します。

今の入居者の高齢化に伴う不安も解消しますし、説明会の場での質疑応答から、その後の支援策もみえると考えます。家主や、不動産会社の理解を進め、住宅確保要配慮者が住まいを得られるよう、しくみを整えていくよう求めます。