2026年度予算特別委員会で述べた超党会派えどがわ(笹本、伊藤、本西、きもと、田村、中野)の意見を掲載します。
2026年予算特別委員会 総括意見
令和8年度、予算原案に賛成とし、超党会派えどがわの総括意見を申しあげます。審議の過程で申し上げた意見・要望等が施策に反映されるようお願い致します。なお修正案には反対致します。
国において「税源偏在 是正措置」の議論が「地方創生の推進」の名のもと、法人住民税の一部国有化、地方消費税の清算基準の見直し、ふるさと納税等により、特別区の貴重な財源は収奪されています。
不合理な税制改正は、応益負担等、地方税のあり方を無視したもので、是正されなくてはなりません。特別区は、国が進めようとしている地方税の趣旨を逸脱した不当な税制改正に対し、特別区が一体となり反対を主張し、是正を強く訴え続けていくべきであることを改めて申し上げます。
東京特別区選出の国会議員の多くは与党に所属しており、地域の代表として区部の切実な要望を政府へ確実に届けるべき立場にあると認識しております。
消費者が望む物価高騰対策は当然のことながら、少子高齢化が進む中で福祉・教育など自治体財政が果たす役割の重要性は高まっています。本来、法人事業税は、地方自治体が主導権を持ち、経済社会の変化に即したあり方を検討・再構築すべきであると考えます。
区長会におかれましても、本区選出の国会議員と緊密に連携し、特別区が一体となって国に対し毅然とした主張を展開していただくよう強く望みます。
歳入について申し上げます。本区の財政は景気動向の影響を受けやすく、依存財源の割合が高い脆弱な構造であり、都財調交付金の配分比率の変更は一定の前進と認識しますが、今後、扶助費を中心とした財政需要の増大は避けられません。災害対策や子ども、福祉に関する諸課題を解決するためにも、区としての要望を継続し、財源確保に向けた粘り強い折衝を期待します。
児童相談所の設置は本区の悲願であり、「子どもの命と権利を守り抜く」という決意のもと、他区に先駆けて実現したものです。都区の役割分担において大きな転換点となりましたが、児童虐待を巡る状況が逼迫する中、子どもの命と尊厳を守ることは何よりも優先されるべき最重要課題です。「持続可能な共生社会は地域から確固として創り上げる」という本区の信念に基づき、必要な財源や支援の確保について、東京都に対し強く主張していただくようお願い致します。
後期高齢者医療について・歳入【特別会計】
後期高齢者医療には多額の公費や現役世代の拠出金が投入されています。しかし、負担の低さを享受する高齢者の中には、区で把握困難な株式等の金融所得を有するケースも見受けられます。生計費や教育費に喘ぐ現役世代が、資力のある高齢者を支える不均衡を是正すべきです。区民の金融所得把握に努め、負担と給付の公平・公正な制度設計への改正を強く求めます。
経営企画費【DX推進費】
引越し手続きオンラインサービスについて、住民負担と自治体事務負担の両方を解消するため、複数部局に関わる事業こそ、デジタル庁の指針を踏まえ、DX推進課が主体的に旗振り役となり、庁内各部局との調整、システム連携の推進、職員研修の実施、特に民間サービスの活用などをリードしていただくよう要望します。
危機管理費
災害用ドローンの配備について、情報漏洩や供給停止のリスクを排除した確実な機体選定をするよう求めました。大規模な配備計画だからこそ、有事の際に即応できるよう、操縦職員の技術習熟や運用ルールの徹底など実効性を高める取り組みを並行して進めることや、コスト・性能・安全性の全般において、区民が納得できる運用がなされるよう要望します。
文化共育費
タワーホール船堀には会議参加者が保育に使える部屋がありますが、施設案内やホームペ ージでは周知されていません。また、現在の部屋は狭く、乳児以外の利用が難しいとの声 もあります。コンベンション施設として、子育て中も、会議や活動に参加できる環境を整 えるため、保育に使える部屋の周知を図るとともに、大規模改修時には、より広い保育ス ペースの確保や一時保育体制の整備についての検討を願います。
ボランティアセンターの登録団体は減少しており、活動を担う団体の裾野を広げていくこ とが重要です。しかし、現在のホームページでは団体立ち上げ支援や登録のメリット、活 動室や備品の利用内容が分かりにくい状況です。情報発信の充実を図るとともに、活動拠 点の拡充など、NPOも含めた地域活動団体の支援や立ち上げ支援を強化することを要望し ます。
文化共育費
ホノルル市への公式訪問に対し、緊迫する国際情勢下で区民が抱く懸念を慎重に捉える必要があります。1人あたり100万円もの公費を投じる以上、単なる親善交流に留まらず、歴史的背景を共有する両都市が「これからの平和」にどう貢献できるか、踏み込んだ対話を行うべきです。また、「歩きスマホ禁止条例」等の現地政策の知見も含め、得られた成果は議会へ詳細に報告し、事業の意義と透明性を明確に示すよう強く要望します。
総合文化センターの楽器更新について、導入から30年以上が経過したコンサート用ピアノは、ホールの第一線で活用するには更新を検討すべき時期にあります。近年、演奏家はスタインウェイに限らず、ファツィオリやベヒシュタインなど、表現に合わせた多様な名器を選択する傾向にあります。大規模改修という好機を捉え、隣接区のような複数メーカーの楽器の導入を進めるよう要望します。
産業経済費
区の起業家ゼミナールは長年継続され、実際の起業にもつながる有意義な取り組みと評価して います。一方、起業形態(きぎょうけいたい)の一つとして、組合員が出資し、自ら働き運営する、労働者 協同組合法人という新しい選択肢もあります。多様な働き方や起業の形を示す観点から、起業家ゼミナールやアントレプレナー交流事業等の機会を通じて、労働者協同組合の仕組みや魅力を紹介し、区内での起業につながる取り組みを進めていただくことを要望します。
環境費
再エネ100%メニュー 補助金事業は、特定の電力事業者を事実上優遇するものです。区は真の脱炭素と区民生活の両立を図るため、こうした限定的なメニュー補助ではなく、太陽光・蓄電池の直接設備導入やPPA・VPP推進など、系統全体の再エネ拡大に直結する施策へ、予算を大胆にシフトすべきです。税金の有効活用と公正な市場競争を損なう惰性継続は改めていただくよう要望します。
環境費
脱炭素施策と再エネ連携について、江戸川電力の発足に伴い、太陽光発電等はPPA事業へ移行しますが、普及には区の積極関与が不可欠です。設置可能住宅の掘り起こしや、地域脱炭素勉強会参加者との連携など、区独自の手法で後押ししてください。また、自治会・町会との丁寧な連携を図るとともに、匝瑳市との再エネ連携も、交流や学びを通じて拡充し、脱炭素の取り組みを着実に広げるよう要望します。
プレーパークの充実について プレーパークは、自ら遊び育つ環境を保障する「子どもの権利」を体現する場です。本区においてもその理念を共有し、専門的知見を持つプレーリーダーの育成や研修の充実を図るべきです。区内で自主活動を行う団体とも密接に連携し、子どもの権利と育ちの視点に立った、質の高い運営が進むよう強く求めます。
福祉費
生活保護費について、2013年からのデフレ調整による生活保護基準額の不当な減額を受け、対象者への追加支給手続きが開始されています。対象者が漏れなくスムーズに受給できるよう、また、すでに生活保護を廃止した世帯が受給権を逃すことのないよう、周知徹底を図ることを要望いたします。
子ども家庭費
ファミリーサポート事業は子どもの命をあずかる重要な役割を担っており、報酬の引き上 げは評価します。依頼会員が増える一方、協力会員は不足している状況です。地域の助け 合いの仕組みを持続させるためにも、報酬は今後も最低賃金を上回る水準を維持すること を要望します。また、既存の保育サービス講習会修了者などの資格を活用し、協力会員の 確保につなげていくことを求めます。
都市開発費
学校改築について、入札不調の常態化や建設コストの高騰、さらには加速する少子化の影響により、従来の計画の延長線上では解決困難な局面にあります。学校建設技術課の教育委員会への移管や基本方針の策定を機に、既存の枠組みに固執することなく、「長寿命化改修」の積極活用や、仮校舎を不要とする「現地ローリング工法」、ベーシックプランによるコスト削減など、多角的かつ柔軟な手法を検討するよう強く要望します。
都市開発費
建築指導関係費について、本区の木造家屋の耐震化率は82.4%に留まり、約1万5千件が大規模地震に対し危険な状況です。現在の対策ペースでは完了まで150年近くを要し、首都直下地震には到底間に合いません。区民の命を守るため、耐震補強に関わる補助金額の大幅な増額や、課税・非課税等の所得条件の緩和など、実効性のある施策を早急に講じるよう求めます。
土木費
篠崎地区の高台まちづくりは、国の高規格堤防と一体で行う土地区画整理事業が説明会資料に示されていますが、住民移転や長期間の事業など、負担が大きいことに加え、多額な予算がかかること、整備の進捗も極めて限定的です。海外では、日本の鋼矢板圧入工法などを活用し、既存市街地でも住民生活への影響を抑えつつ堤防強化を進める事例があります。区民を水害から守るため、従来の高規格堤防整備に固執せず、スーパー堤防整備方針を見直し、新しい工法による実践的な堤防強化を国に働きかけることを要望します。
土木費
排水体制について
区民の命と暮らしを守る観点から、防災の「事前対策」だけでなく「事後レジリエンス強化」の視点も強く意識した取り組み、特に、地下電気設備(ちかでんきせつび)の早期復旧を最優先とする観点から、大規模水害が起きた際に応援到着までのタイムラグや、同時多発的な被害が起きた場合の優先順位付けのリスクを考慮して、区独自で一定規模の「移動式 大型排水ポンプ車」を新たに購入・配備することを強く求めます。
教育費
登校前見守り事業の安全管理について 新1年生は入学式前の4月1日から登校します。不安を抱える児童への対応が重要ですが、担い手は専門職ではないシルバー人材の方々です。トラブル時の対応や接し方について、学校やすくすくスタッフとの連携・研修を徹底してください。子どもの権利条例の理解など、最低限のルールを周知し、安心して過ごせる環境づくりを求めます。
教育費
伝統工芸の技術保存について 令和7年度からの「技術保存」を目的としたビデオ制作拡充を高く評価します。さらなるステップとして、熟練の「勘」や「コツ」を数値化・可視化するモーションキャプチャーの活用を改めて要望します。効率的な技術継承と伝統工芸の持続可能性を確保するため、前向きな検討を求めます。
教育費
学務費について 本区の就学援助基準は生活保護基準の1.25倍と低水準です。物価高騰に直面する低所得の子育て世帯にとって、教育費の軽減は一刻を争う課題です。他区を参考に認定基準を1.5倍程度まで緩和するとともに、金融所得を含めた「総所得」を判定基準に移行することで、真に支援を必要とする世帯に届く制度への改善を求めます。
教育費
学校現場での作業療法士、OT活用は、学習上のつまずきの早期発見や不登校予防、教員の負担軽減に寄与します。本区の実践研究でも有用性が確認されており、全国で導入が広がっています。まずはスモールステップでの試行から効果を検証し、先進自治体の事例も研究しながら、学校現場でのOT活用を着実に推進することを要望します。
教育費
包括的性教育・生命の安全教育は、自他の心身を理解するために不可欠な学びです。しかし、外部講師を招く際、校内予算の制約から実施をためらうケースが見受けられます。学校の負担に任せるのではなく、区として講師謝礼等の支援制度を検討し、各校が必要に応じて外部専門家を円滑に活用できる環境を整えるよう要望します。