香りの害「香害」 ーケミカルバリアフリーをめざしてー 2025年第4回区議会定例会
香りの害については、まだ、多くの方がご存じありません。
「汗のにおい?」それとも「体臭のこと?」と思われがちなのですが、実は、洗濯物の柔軟剤に使われている化学物質による香りは、体調不良の原因となっているのです。
柔軟剤の他、合成洗剤、消臭除菌スプレー、制汗剤、芳香剤などの強い香りを発生させるものはたくさんあります。汗臭さを防ぐために使われる化学物質が、体調不良の原因となっているとは、「まさか!」のことですよね。
実際、私も、外国製の洗剤を使っていました。よい香りだと思っていましたが、体調を崩したときに、その香りにさらされたときに、体調が悪化したのです。それ以来、強い香りを避けるようになりました。
電車に乗っていて、乗り合わせたときはそこから離れるようにしています。
元気な時は、頭痛や吐き気とはなりませんので、私はまったく軽い方なのだと思います。
余談ですが、先日、葛飾・生活者ネットワークの沼田たか子さんの選挙応援に行きました。
香害に敏感で、明らかに体調が悪くなってしまっていました。どんなに寒くても暖房は入れずに窓は全開で選挙カーに乗りました。
さて、今回、あらためて質問に取り上げた理由は、子どもの香害の影響についての学術調査の中間報告があったからです。
多くのメディアでも紹介されました。
通告
| 4.香害について | |
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| (2)実態調査について |

各省庁との意見交換
以下質問文
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最後に香の害である香害の学校現場での対応について伺います。
香害とは、柔軟剤、合成洗剤、消臭除菌スプレー、制汗剤、芳香剤などの強い香りを伴う製品に使用されている化学物質による健康被害を指します。体調不良の症状としては、腹痛、頭痛、筋肉痛、鼻水、目のかゆみなどがあります。この度、「日本臨床環境医学会環境過敏症分科会」と「室内環境学会環境過敏症分科会」が2024年5月から約3年かけて実施する全国アンケート「子どもの香害および環境過敏症状に関する実態調査」により、21自治体の約1万人の子どもの実態の中間報告がまとめられました。小中学生約8000人のうち香害により体調不良を経験した児童生徒は10.1%にのぼり、学年が上がるにつれて割合が増えることが明らかになりました。この結果を受けて、今年8月、香害をなくす議員の会と香害をなくす連絡会は、院内集会を開き、文部科学省に対し、香り害の実態調査の実施と学校内における香り製品使用に関するガイドライン等を求める8項目の要望書を提出しました。香害被害にあう中学3年生からは「教室から子どもを追い出すのではなく、香りや、消臭抗菌成分を追い出してください」と切実な訴えがありました。
学校においては、給食用白衣が身近な問題です。白衣は各家庭で洗濯をして次の当番に渡しますが香料成分により、「頭がくらくらする」「洗濯しても白衣にしみこんでいる香り成分が取れない。それどころか、他のものまで香りが移る」「アイロンがけにより、さらに香りが強くなり、吐き気に悩む」という保護者からの声もあります。
子どもの香害は新たなシックスクール問題ではないでしょうか。以前は主に建材に起因するものでしたが、香害へとその問題は移っています。東京都には生活者ネットワークが求めてきた、化学物質の子どもガイドライン室内空気編がありますが、本区の学校において、ケミカルバリアフリー化の推進をすべきです。
そこで2点伺います。
1点目は、香害への周知啓発が必要と考えますが、どの様に対応がなされているのかも含め、教育長のご所見を伺います。
2点目は、本区においても香害についての実態調査を行うことが必要と考えますが、いかがでしょうか。
教育長答弁
1 各学校は国のポスターを活用し、個人用の白衣使用を認める等取り組んでいる。
2 実態調査を行う予定はないが今後も国の動向を注視し、個別の配慮が適切にできるように努める。
申し述べた意見
香害の周知は。文科省の通知に合わせて行っていること、給食着の対応を個別に行っていることがわかりました。
香害は、周りからの影響によるもので、受動喫煙と同じと例えられます。個別の対応が行われていることはまずはよかったと思いますが、予防原則にたち、ケミカルバリアフリーに向けて進めていくことが必須だと考えます。
実際に困っている子どもたちはいますので、そのためにも、区内の学校での実態調査を行うべきと考えますが、難しいとのことでした。現在実施中の学術調査に加わることを是非ご検討いただくよう要望します。
香害は不登校の一因にもなりますので、香害についての周知を、学校へ、学校から家庭へと届くようにこれからもお願いします。
