2023年区議会定例会 決算特別委員会
決算特別委員会の時期は気が付くと、夏が終わっています。
9月28日から10月12日までの間、2022年度についての決算認定についてを審議しました。
今回の決算での総括意見は以下の通りです。
2022年度決算審議の締めくくりにあたり、生活者ネットワーク・れいわ新選組の総括意見を申し上げます。
区の歳入は、景気の動向や税制の変化に影響を受ける区民税や、財政調整交付金、国庫支出金などが半分以上を占めており、誰も取り残さない持続可能な共生社会の形成を謳う本区としては、今後も格段の努力が必要です。そのような中、ヤングケアラーや医療的ケア児など、子ども・若者世代への支援にも力を入れ、子どもの権利を守る姿勢に鑑み、
2022年度江戸川区一般会計歳入歳出決算及び各特別会計の歳入歳出決算を認定いたします。
以下、審議の過程で述べました事を、今後の施策に反映していただきたく、改めて申し上げます。
◆国民健康保険について
江戸川区の国民健康保険料は、23区中一番負担が重いという問題があり、過去最大の税収は、区の財政規律や健全化指数という数値目標よりも物価高で苦しむ区民の生活や家計の健全化のために活用すべきではないでしょうか。そこで本区の国民健康保険特別会計に今以上の法定外繰入金を投入したり高額所得者の保険料の賦課限度額を上げるなどして、区民全体の保険料負担の軽減を求めます。
◆総務費について申し上げます。
◎情報公開及び個人情報保護審査会についてです。
自治体で取り扱う個人情報の提供については、各所管の判断により対応することになります。
自分の個人情報がどのように取り扱われているのかを、知ることは大事です。これまで審査会に諮問してきた内容については、報告を行い、公表を継続していくことを要望いたします。
◆官製ワーキングプアについて
◎現在、江戸川区では正規職員3,361人に対し、身分が不安定で年収がその半分程度の非正規職員が3,067人もいて、格差が広がっております。物価高の中で区民だけではなく足元の職員の貧困対策も必要です。役職手当や昇給もほとんどなく、補助業務を承知で入職したとはいえ、部署によっては正規職員に近い業務を担っている非正規職員もおり、一日も早く官製ワーキングプアと呼ばれる非正規職員の待遇改善を求めます。
◆危機管理費についてです。
◎「えどがわ女性防災ミーティング」については、無作為抽出などで公募委員を入れるなどの工夫を今後も行い、継続的に行うことを要望します。
◆文化共育費についてです。
◎図書館は、情報発信の場として、また障害のあるなしに関わらず、街に暮らす人は誰もが
知的向上を得られる場として進化していくことを期待しています。南葛西や臨海地区、船堀、瑞江地区には、学校を使用したサテライトではなく、図書館の設置を要望します。
◆生活振興費についてです。
◎住民基本台帳の公表は、国・地方公共団体による閲覧と、公益性が高いと認められた調査研究のための閲覧とに分けて表示し、各年度でわかるように実施することを求めます。
また、DVなどの支援措置の対象となっている方の記録の閲覧ついては、当事者が不安にならないように、HPなどには、閲覧ができない旨を書き添えることなどの対応を要望します。
◎マイナンバーカードについては、トラブルが表面化しています。来年度から始まる「マイナ保険証」については、厳格な運用を求めます。
◆環境費についてです。
◎本区では「プラスチックの資源循環に関する先進的モデル形成支援事業」が実施されました。アンケートも行い区民が資源分別する際の分別できない理由も見えてきました。この結果をさらに検討し、製品プラスチックの回収の仕方が決まった際には、より分かりやすい区民への周知を要望します。また、集められた製品プラスチックをどのように処理していくかは、環境に負荷の少ない方法となるよう要望いたします。
◎羽田空港機能強化については、 騒音を苦痛と感じる方に我慢を強いるべきではないと考えます。重大事故につながるような都心の住宅地の上空ではなく、東京湾上の飛行ルートに戻すことを要望いたします。
◆健康費についてです。
◎発達段階にある子どもが、好ましくない情報にうっかり触れてしまうことを防ぐために、スマートフォン利用に対しての制限である、「ペアレンタルコントロール」の保護者への啓発を要望します。
◎子宮頸がんについては、検診の重要性を啓発することを求めます。
◎香りの害である「香害」は、化学物質過敏症です。健康部をはじめ、関係する所管課が連携して啓発することを求めます。
◆介護人材確保について
◎ヘルパーなどの介護の担い手の処遇改善は、保険料アップに繋がる介護保険財政からではなく、区の税負担による施策の実施を求めます。例えば、旧来の介護職員に対する家賃助成の仕組みの条件を緩和するなど、一般給与所得者との格差を解消する、本区独自の支援策を求めます。
◆生活保護業務の適正化について
◎生活保護受給者の増加や事務量の増加などにより、福祉事務所のケースワーカーの疲弊は深まっていると思われますが、だからといって不適切な業務や慣例が横行してしまうことは許されません。査察指導員をはじめ、福祉現場の職員が一丸となって適正かつ適切な事務処理を、日頃より心掛けることを求めると同時に被保護者に対する尊厳や人権意識、丁寧な対応を努めていくことを求めます。
◆子ども家庭費についてです。
◎「江戸川区子どもの権利条例」の理解を進めるために、権利擁護委員の共育プラザへの訪問や出前授業の実施など、子どもに「権利がある」ことを直接知らせる活動を広めてください。
子どもの権利ほっとラインが使いやすいものとなるよう、子どもにも意見を聞くことを要望します。低学年の子どもにもわかりやすい言葉遣いとし、電話番号を持たない子どもからの相談も受けられるメールフォームや相談室を置くことを要望します。
◆土木費についてです。
◎内水氾濫対策を進めていただくよう要望します。「高台まちづくり」や「災害、水害に強い」
とアピールしながら、篠崎地区の都市計画道路補助288号線は、防災の向上とは真逆になる危険な箇所を区内に増やしてしまうことを、改めて指摘し、本区の「スーパー堤防整備方針」の見直しを引き続き求めます。
◆教育費についてです。
◎すくすくスクールについて
改築校では、設計の段階から、登録人数を考慮することが必要です。ほとんどの低学年が集まるのですから、空いている教室を、許可を得て使うということではなく、初めから他の普通教室より広くするなど教室を増やすことを求めます。また、配慮を要する子どもの受け入れを進め、職員の加配を求めます。
◎給付型奨学金についてです。
物価高の中で子育て家庭にとって教育費の負担は、大変重い現実があり、従来の貸与型ではない給付型の奨学金が求められています。本区では給付型の木全手嶋育英資金がありますが、足立区や港区などで実施されている給付型奨学金制度と比較しますと、対象人数や金額などの点で劣っているのが現状です。本区でも返済不要の給付型奨学金の大幅な拡充を求めます。
◎学校改築時のエネルギーの考え方について
再生可能エネルギーを作る機器は、日々改良され、リサイクルも可能になってきました。太陽光パネルだけではなく、風力やバイオマスなども組み合わせて使用することをご検討ください。また、既存校、改築校どちらについても、断熱やZEBなどのエネルギー効率を高める対策をとることを要望いたします。
◎学校に行かないことを選択した子どもと家族への支援
法律では、保護者には正当な理由なく学校を休ませると、就学義務違反が発生しますが、
子どもには選択できる権利があります。もちろん学校にいきたくなったら再び行くことができることも必要ですが、学びの選択肢はたくさんあっていいはずです。本区の選択肢としてある情報を、HPなどにわかりやすく表示することを要望します。
最後に、SDGsの推進、共生社会の実現などのためには、各部、各所管課の横断的連携はますます必要になってくると考えます。広く区民の声を取り入れ、区民との協働で、誰ひとり取り残されることのない社会の推進を要望いたしまして、生活者ネットワーク・れいわ新選組の総括意見といたします。