決算特別委員会 2021年度決算を認定しました
2021年度の決算について、20名で構成される決算特別委員会で、各特別会計、一般会計決算を審査しました。
私たち生活者ネットワークでは、伊藤ひとみ、本西みつえが交代して出席し審査にあたりました。
江戸川区議会では、全ての項目を8日間にわたり審査します。
午前10時に開会、だいたい午後5時過ぎまで行います。
審査の様子は直接傍聴もできますし、インターネット中継も行われています。
生活者ネットワークが取り上げた項目は以下の通りです。
〇江戸川区平和祈念展示室
〇各主管課から上がってきた契約書類
〇男女共同参画センター
〇選挙費入場整理券
〇介護保険高額介護サービス費
〇共生社会ビジョン
〇広報えどがわイベント情報を紙ベースで
〇日光プロジェクト
〇共育プラザ中学生と赤ちゃんふれあい事業
〇ボトルディスペンサー型給水機
〇ボランティアセンター
〇無戸籍 出生届を出せない事情の子どもの戸籍取得について
〇農業委員
〇有機農業
〇リチウムイオン電池
〇樹木の剪定
〇バイオネスト
〇気候変動適応センター
〇羽田空港飛行ルート
〇無戸籍問題
〇産後ケア
〇子宮頸がんワクチン
〇福祉避難所
〇介護人材確保
〇放課後等デイサービス
〇生活保護の住宅扶助
〇子どもの権利擁護委員
〇子育てひろば
〇保育の質ガイドライン
〇大人の何でも相談
〇浸水に強いまちづくり
〇住宅確保要配慮者
〇篠崎公園地区のまちづくり
〇すくすくスクールのボランティア再開
〇すくすくスクールの障害児受け入れ
〇車いすの昇降機
〇男女共同参画を子どもたちに
〇包括的性教育の実施を
〇給食の食器の変更について
〇給食の残渣について
〇給食費と有機野菜
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以下総括意見を掲載します。
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2021年度 決算審議の締めくくりにあたり、生活者ネットワークの総括意見を申し上げます。
2020年1月に初めて確認された新型コロナウイルス感染症の影響は、未だに続いており、今後も注視していかなければなりません。本区の歳入は財政調整交付金に依存度が高く、景気の動向に大きく影響されることに変わりはなく、2020年度、568億円と最高額であった特別区税は、2021年度は約3億円の減、大きく区民に響いている状況です。そのようななかで「だれひとりとり残さない」また「共生社会の実現」をめざし、条例の制定や調査などを積極的に行ってきた姿勢に鑑み、2021年度江戸川区一般会計歳入歳出及び各特別会計歳入歳出決算を認定いたします。
特に意を用いていただきたい項目について改めて申し上げます。
- 総務費について
人権・男女共同参画推進センターは、本区の「ともに生きるまち」に近づくための核となるべくセンターであるべきです。SDGsの根幹にある人権・平等という目標の達成のために庁内での横断的な役割を果たしていただきたいと考えます。
平和祈念展示室は、区内で平和活動をしている方々も一緒になって、イベントや維持管理も含め運営し、「戦争を繰り返さない」というメッセージを広く伝えていくようなしくみを作ることを要望します。
投票について、 「あなたには選挙権がありますよ」というお知らせである 入場整理券や選挙公報が早く、着実に届くよう手配を行い、 期日前投票については、入場整理券が届いていなくても、投票はできることを、早い時点から周知していくことを要望いたします。
- 経営企画費は、
新型コロナ感染症により外出する機会が減り、心身ともに弱ってしまった方が多くいます。情報を積極的にとりにいく気力も落ちがちですので、地域のイベント情報などが自然に目に入ることで、外出を促すことが必要です。ポスターやチラシなどを含め紙媒体での情報提供を進めてください。
- 新庁舎施設整備費は、
日光林間学校の跡地について、宿泊施設や自然エネルギー発電など、寄せられた区民からの意見を活かした跡地の活用を考えてください。
- 文化共育費についてです。
ボランティアセンターは、市民活動を後方支援する機能を持ちます。新たなボランティア活動を「作りたい」と考えた時に、「どのようにすればよいのか」また「支援は何か、登録団体になるとどのような利点があるのか」ということについて、分かりやすいHPの掲載をお願いします。
- 産業経済費については、
農業委員会は、内閣府男女共同参画局においても求められている女性の登用を進めてください。
- 環境費についてです
羽田空港機能強化については、
昨年の北風時の運用、天候が悪いときの南風の時の着陸便の飛行を合わせると、上空を通過する便はこれまでにない数の増加で、落下物の危険性も増したことを意味します。私たちは、都心の住宅街を低空飛行することに反対いたします。
ごみ収集については、 メーカー等が自主回収するはずの小型充電式電池やボタン電池が区の収集ごみに紛れ込んでいます。分かりやすく簡単に集められるしくみづくりと、ごみ処理のための費用や作業についてなど区民への啓発の工夫を要望します。
気候変動適応策では、「マイボトル」の利用を促すためにもボトルディスペンサー型ウォーターサーバーの公共施設への設置を要望いたします。ペットボトルやごみの削減だけでなく、ペットボトル製造時のCO2の削減、自動販売機の削減などにもつながります。「江戸川区気候変動適応センタ―」が、小さな一歩を大切にして脱炭素社会に向けて、リードしていくことを求めます。
- 健康費について、子宮頸がんについては、ワクチン接種よりも健診で早期発見することを優先すべきです。子宮頸がんは、そのほとんどが、ヒトパピローマウイルス(HPV)による、性感染症であることを、はっきりわかるように示す必要があると考えます。厚生労働省では、男性へのHPVワクチンの定期接種化が検討されました。常に新しい子宮頸がんワクチンについての情報提供を要望します。
- 福祉費についてです。
避難行動要支援者の災害時の避難については、個別避難計画を作成するにとどまらず、実際の避難訓練を行い、当事者と一緒に地域や行政と協議していくことが必要です。地域との連携も含め実践的な個別避難計画の作成を要望します。
介護現場の人材は常に不足しています。区独自の介護人材確保事業である介護職員初任者研修等助成事業や、定着奨励金など、今以上に進めていただくようお願いします。
障害児が利用する放課後等デイサービスについては、
区内で利用できる事業所が見つからず、区外の施設も利用することになる状況があります。特に重症心身障害児や医療的ケア児など大きく配慮が必要な子どもたちの受け入れ先が十分ではありません。学齢期の個別療育も必要です。個々の児童に応じたサービスを使えるように、計画相談は、地域で学び、仕事を持ち、暮らしていくといった一生を見据えたものにすることを要望します。
- 子ども家庭費についてです。
あらゆる相談に応じる「大人のなんでも相談」では、ジェンダーギャップの解消をはかり、女性や子どもが不利益を被らないよう、出生届や無戸籍につながる問題についても、しっかりと対応していただくよう要望します。
子育てひろばの支援員は、保護者からの何気ない発信を受け止め、必要に応じた支援につなげる役割も担っています。すべての広場に支援員を置き、子育ち・子育てを見守るための、スキルとスキルアップを常に図り、安心して子育てできる環境を整えてください。
本区の子どもたちが通う、すべての保育施設の質の向上に取り組むためにも、ガイドラインをチェックし、しっかりと活用していただくことを期待します。
子どもの権利ほっとラインについては電話を持たない子どもも、立ち寄り相談できる場をつくるなど、どの子どももアクセスできる工夫を要望します。
- 都市開発費についてです
高齢者や障害のある方など、住宅を確保することが難しい方についての居住支援は、各相談機関と連携し、すまいと、生活支援をあわせた支援になるよう要望します。
区民の関心が高い水害対策は、堤防が決壊し上流から水が押し寄せる、満潮と高潮が重なって、ほとんどが水につかる最悪な状況の想定だけではなく、現に国内のあちこちで起こっている線状降水帯などでの浸水に耐えうるための、まちづくりのビジョンを持ち、区民にわかりやすく示すことを要望します。
- 土木費について
上篠崎1丁目北部は、土地区画整理事業とともに、国と都の事業も併せて行われている地区です。地耐力が、飛び換地で不足する事態となり、またもや地盤改良がやり直しとなりました。
住民の目線に立ち、街の全体像がどうなるのかを示し、わかりやすい説明を要望します。
高規格堤防事業については、住民への負担、堤防を作るための時間とコストを考えると、もっと現実的な方法をとるべきです。スーパー堤防整備方針を見直すことを要望します。
- 教育費について
すくすくスクールでは、障害のあるなしにかかわらず子どもたちが一緒にいることが当たり前の空間を作り出せる環境整備と体制づくりを行い、「すべての子どもが共に過ごせる場所である」ということを特に打ち出した周知を要望します。
また、提供される補食については、栄養の観点からもメニューの改善と地域ごと、学校ごとなどの小さい単位での購入で、地域の事業者の応援もできるしくみの検討を求めます。
給食の食器については、 PEN食器も、ポリエチレンナフタレートという石油由来の合成樹脂であり、プラスチックです。食育の観点からも、気候変動適応策の観点、SDGsの観点からも「強化磁器食器」の使用を求めます。学校改築の際には、特に給食室や配膳台の動線を考慮した設計とすることを要望します。
給食の残渣については、
残すことが「ごみ」つながることを知らせるなど、減らすための工夫をお願いします。
コンポストについては、
食育の延長線上にもある「食の循環」を考えるきっかけにもなります。 全ての学校で子どもたちや保護者、地域をまきこんで常に利用することの検討を要望します。
最後に、身体や生殖の仕組みだけではなく、人間関係や性の多様性、ジェンダー平等、幸福など、幅広いテーマを含む教育である包括的性教育は、本区の目指す、ともに生きるまち、性の多様性を尊重する社会には、欠かせない学びであると考えます。 助産師会や産婦人科医などと連携を取りながら、包括的性教育を取り入れていくことを要望いたします。
新型コロナウイルス感染症、長く続いているウクライナ侵攻の状況は、今後の区民生活に大きく影響をもたらしていくことと思われます。区民生活に直結する経済や気候危機への対応策など、すでに認識されている喫緊の課題は多くあります。今回の審議を通して、これまで以上に各所管課の連携の必要性を感じました。横断的に進める区民サービスに真の「区民との協働」を活かすことを強く要望して生活者ネットワークの総括意見といたします。