ミュニシパリズムってなに? PARC共同代表の内田聖子さんのお話
最近聞くようになったけど、「ミュニシパリズム」って何…?
そうですよね。
よくわからないって方、多いと思います。私もその一人でした。
生活クラブ館でPARC共同代表の内田聖子さんの講演会がありました。
そう、あの杉並区長に岸本聡子さんを担ぎ上げた張本人です!
そして、なんと私はシンポジストの1人として発表。
終わってみれば、ミュニシパリズムとは、まさに私たちの活動そのものでした。
主催は、政治と事業を考える市民自治のまちづくり実行委員会、協賛は生活クラブ東京。
お題は「市民事業と政治における市民自治のまちづくり ~代理人運動とワーカーズ・コレクティブ運動の成果と課題~」です。
開会に先立ち、練馬区に暮らす細谷正子さんからご挨拶がありました。
「私たちの代理人運動の始まりは、1977年の今から45年前です。練馬区から土屋政枝を都議会に送ろうというところから始まります。その当時、私は、このグループ生活者を知りませんでした。選挙期間中、100人パレードといって、練馬区の商店街を行進していたところに出くわすんです。何事だろうと、耳を傾けると、よいこと言っているなあと思ったんです。「空、水、土を私たちの手に取り戻そう」と。このパレードは終着点につくまでに100人を超えていました。」
その後、5年後に私は生活クラブに出会います。加入すると消費財より先に、生活と自治という冊子が届いた。とても驚きました。読んでみると、「自分で考え、自分んで行動しよう」という自治が書かれています。なかなか良い生協に入ったと私は思いました。
そして、生活クラブを作った岩根邦雄さん、河野栄次さんの話を聞くことになる。多軸重層型の社会を創ることだと言います。
今日は、45年間たった私たちの活動を振り返り、次につなげていくこと。
「市民が本気になれば政治は変わる」と土屋政枝の選挙で言ってました。
なかなか、自分達の活動を認めてくれる場面は少ない。私たちはすごいって自分たち自身をほめてあげる機会にしたいと思います。」
と話されました。
この時、私は、自分の胸の中の何かに触れた気がしました。
同じ登壇者の、練馬・生活者ネットワークの、やない克子さんに「この方は練馬の元代理人ですか?」と聞きました。すると、「ううん、議員はやってない。昨日も会ってたけど、初めて聞く話。」ということです。
やないさんも感じるところがあったようです。
さて、本日のメインゲスト アジア太平洋資料センター(PARC)共同代表の内田聖子さんの講演が始まりました。
最初に今回の杉並区長選の話をされました。
内田さんは岸田聡子さんを区長選に担ぎ上げた張本人です。
187票差の6月20日の杉並区長選であった。これからが大変だということでした。
岸本さんとは、新自由主義の批判をしてきた。ここから本題へと入っていきます。
公共政策の市場化・民営化あるいは、規制緩和が行なわれて来たが、それは貧困、格差の拡大、地域経済の衰退、環境汚染、気候危機などを引き起こしてきた。
それにより、民主主義が弱まり、強者の論理となっていく。
非正規雇用の問題など、(今や労働者の4割が非正規雇用です)
政治より経済を優先した結果、このような社会になってしまった。
「 Enough is Enough! 」 (もうたくさんだ!)
世界各国でその声が上がっています。
新型コロナウィルス感染症により、新自由主義の負の側面に気が付く人が増えてきました。
医療は民間でなく、公で。
電気は地産地消で。
マスクの生産も日本でというふうにです。
ミュニシパリズムとは 日本語に訳すとよい訳がまだないのだが、「(地域)自治体主義」と表すしかない。
政治参加を選挙による間接民主主義に限定せずに地域に根付いた自治的な民主主義や合意形成を重視する考え方である。
それには、市民が直接的に政治参加できること。市政の透明性と説明責任の強化をしていくこと。
キーワードをたくさん挙げられました。
公共の再生、気候変動危機、ケア、住民自治、市民権の拡大、ジャスト・トランジション、地域循環経済、社会正義と包摂、コモンズ。
このジャストトランジションがわからないとお聞きしたら、公正な移行、変革ということでした。
そしてミュニシパリズムの規範、価値は、
連帯
協同
市民権
政策を協同してつくる
共に統治する
恐れぬ自治体
フェミニスト
国際性
環境
具体的には、ヨーロッパのことを話されたのですが、例えばイギリスは、鉄道、水道が民営化され、医療も掘っておいたらそうされてしまう。なのでもういちど取り戻そうという動きがある。
再公営化は2000年から2019年の間に、58か国2400以上の街が公共サービスを公の管理下に置いたということです。
スペイン、バルセロナでは、バルセロナコモンズという市民選挙を実現するための団体が立ち上がり、40代女性の市長を出し、変革に取り組んでいるとのことです。その他イタリア、フランスでも、その動きがあります。
住民の命を守る政治にすること。
ミュニシパリズム的、地方選挙戦略は、市民主導の選挙で代表者を出すこと。政党主導ではなく、市民による住民自治であることをお話されました。
日本の民主主義のために働こうよ!
これから、よろしく!としめくくられました。
ここまで聞いて、ミュニシパリズムの規範や価値は、45年もまえから掲げて実行している私たちの活動そのものではないかと思いました。
その後、私たちの活動である、代理人運動とワーカーズ・コレクティブ運動の歴史を、東京ワーカーズ・コレクティブ協同組合理事長の和田安希代さんから報告がありました。
・ワーカーズ・コレクティブ:団体数は500 事業高125億 就労者数13000人
・ワーカーズコレクティブネットワークジャパン(WNJ) 団体数322 就労者数7000人
・東京ワーカーズ・コレクティブ協同組合は団体50 就労者数660
・ACTたすけあいワーカーズ連合 団体32 就労者数1000人以上
全国市民ネットワーク組織:市民が直接政治に参画する運動として、自分達の仲間のなかから、議会と市民とをつなぐ代理人を議会に送る運動を3つのルールで行っている。ルールは、選挙はカンパとボランティア、議員の交代制、議員報酬は市民活動に。
・東京・生活者ネットワーク 34の地域での生活者・ネットワーク
・市民ネットワーク北海道
・神奈川ネットワーク運動
・市民ネットワーク千葉県
・埼玉県市民ネットワーク
・茨城ネットワーク運動連絡会
・信州・生活者ネットワーク
・ふくおか市民政治ネットワーク
時間が少なく、あとは資料を読んでくださいとなりました。
最後は私たち、ワーカーズコレクティブと代理人を経験した4名からの報告でした。
ここからは、直接、私たちの活動をご覧ください。
まさに実践しているというところです。
最後に、1分でメッセージをください。ということで私がお伝えしたのは
私たちのこの実践は運動そのものである。その大きなうねりの中の役割を担えたことを本当に嬉しく思う。
あの星を目指して、市民が本気になれば政治は変えられる。市民自治をめざして歩んでいこう!ということ。
岸本聡子さんと1000人規模の集会と言わず、1万人規模の集会をやりましょう!
仲間を増やしていこう!
とお伝えしました。