江戸川区内で行われている大型公共事業 ー 篠崎公園地区 ー
江戸川沿線、篠崎公園地区のまちづくりについてです。
上篠崎1丁目北部土地区画整理事業の視察に1月28日行ってきました。
ここは、スーパー堤防(高規格堤防)事業とともに、篠崎公園の高台化、緑地事業、土地区画整理事業、都市計画道路事業などのまちづくりを一体的にすすめています。
高規格堤防事業では、堤防の高さの30倍の幅までなだらかに盛り土をおこないます。よって、もともとの住居にお住いの方はいったん仮住まいしていただき、盛り土した堤防の上に住宅を建てます。
そこで、木造3階建てが建てられるだけの地盤強度として30キロニュートンが必要だと指針をだしています。
今回視察にいった場所では盛り土はされませんが、地区での一体的な事業のため、同様の地耐力を保つ工事をしていました。
それが、今回、地盤改良工事を完了したにも関わらず、その後の検査で地耐力不足が発生しました。
引き渡し予定は3月24日と迫っています。
この間の流れは以下の通りです。
当該地区に行く前に説明してもらいました。
- 地盤改良
2021年1月から5月で地盤改良工事を行った。
上篠崎3丁目(元トマト畑) パワーブレンダー工法 家が近接しているところはCICM(柱状)
上篠崎1丁目(元セロリ畑) パワーブレンダー工法
ともに地表から1mはおきかえ。
- 品質管理証明書
2021年10月 品質管理証明書を地権者に渡す。
地盤改良工事終了後、一軸圧縮試験を行い、地耐力を確認した。
1街区に1-2か所行った。上中下の3か所で試供体をとり、それをつぶして平均値をみる。JIS規格に基づく。
「トマト」は、パワーブレンダーから2か所、CICMから3か所。
「セロリは」、3か所採った。
- 地権者からの地耐力不足の連絡が江戸川区に入る。
12月下旬、ハウスメーカーによるスクリューウエイト貫入試験(旧 スウェ-デン式サウンディング試験)を行ったところ、地耐力不足が判明。
- 区による地耐力の再確認
12月24日から28日でスクリューウエイト貫入で調査を5.5mまで行う。
「トマト」2か所、「セロリ」11か所の区画で行う。
5×13 =65か所。「セロリ」の交番は地盤改良を行っていないため除く。
結果は半分程度のところにばらつきがあった。
25センチずつ行うなどのきまりあり。その方式で1か所でも値が出ないところは×とした。
全体のボリューム1000幾つでみると、その内8%のところで弱いところあり。
- 江戸川区の対応 施行業者と区で話す。
地盤改良の方法については国とも相談しながら決定した。しかし、このような結果となった。
業者は大達土木、その一次下請けがクドーテトラーという会社。
北小岩18班での実績あり。
仕様書通りの結果となっていないので、事業者負担で再工事を行う。
工法は北小岩と同じ、深層混合処理。
- 地権者への区からの説明
1月8日から10日で当該の10人に説明を個別で行った。あと3ヵ所は区有地。
影響のない地権者にも電話で連絡したうえにまちづくりニュースを配布する。
住民からの意見は、3月24日の引き渡しが遅れないように。
これにより、追加費用がからないように。ということ。
- 今後の予定
2月いっぱいで再工事を完了する
建築確認申請も遅れないよう都市開発部と協力する。
地権者の方は、ハウスメーカーと相談してもらっている。
例えば、地盤改良したが、杭を打ちたいという希望がある場合は、そこの部分だけ改良を行わないという対応もしたい。
- 改良後の証明は。
再度品質証明書を出す。
一軸圧縮調査もスクリューウエイト貫入試験による現地調査も行う予定。
今回のこの事案は、スーパー堤防(高規格堤防)事業にかかるものです。
住民側から見れば、「行政の事業に協力している」というところです。
安全、安心なところで生活したいと思うのは当然のことだと思います。
堤防強化を行うことは、私たちゼロメートル地帯で暮らす住民としては欠かせないものだと思います。
しかし、その工法が、スーパー(高規格)堤防ありきでよいものなのか。
北小岩18班地区においても、盛り土の地耐力不足がありました。
そして、また、今回のこと。
地耐力を満たすというのはなかなか簡単ではないことだと感じました。
気候危機の時代に求められている治水とは何なのか。
限られた予算で効果的な堤防整備が必要だと思います。