2021年決算特別委員会
2020年は新型コロナに翻弄された1年でした。
これほどまでに自治体の決算額が膨らんだ年はなかったと思います。
決算特別委員会では以下の項目について取り上げました。
・担い手研修と介護はじめてセミナー
・介護予防にこにこ運動教室
・認定調査
・広報えどがわ臨時号
・地区防災計画、避難所運営協議会
・庁舎内のトイレ
・人権・男女共同参画センター
・臨海球技場の駐車場
・タワーホールの展示室
・トイレのボタン
・清掃職員の補充
・ボタン電池の捨て方チャットボット
・給水機の設置
・羽田空港機能強化に伴う上空飛行の状況
・総合相談会
・母子保健
・子宮頸がんワクチン
・新型コロナ対策
・高齢者虐待
・障害者地域自立支援協議会のあり方
・くらしごと相談室での食品配布
・大人の総合相談
・養育里親と週末季節里親の状況
・高規格(スーパー)堤防整備について
・バイオネスト
・ならがれ
・親水公園(古川、一之江境川)
・公園整備
・新川の汚れ
・新型コロナウイルス一斉休校について
・すくすくスクールあずかりの時間延長について
・発達障害への作業療法士の配置を
・介助員
・学校給食の公会計化
・学校図書館司書の全校配置を
・メラミン食器
・小学校教員のタブレットを生徒と同じものに
・男女混合名簿と制服
・性教育
・音声教材
総括意見は以下の通りです。
2020年度決算審議の締めくくりに当たり、生活者ネットワークの総括意見を申し上げます。
昨年1月半ばに、初めて日本で新型コロナウイルス感染症の患者が確認され2020年度は、緊急事態宣言に明け暮れた年でした。
国の宣言による外出や営業の自粛はすべて「要請」とされ、それに伴う補償は後手にまわりました。自治体のなかには、地方の実情をよく把握し、住民のニーズに応えた施策運営をしたところもあり、地方分権の重要性が改めて認識されました。
江戸川区においても、新型コロナがもたらした状況については、この決算審議における検証と総括を活かし、今後に備えることが不可欠です。
感染症発生直後から、区民のニーズに応え、区独自の感染症対策の施策を展開しつつ、他の住民サービスの維持を保った区の姿勢に鑑み、2020年度江戸川区一般会計歳入歳出及び各特別会計歳入歳出決算を認定いたします。
特に意を用いていただきたい項目について改めて申し上げます。
- 経営企画費について申し上げます。
区民への情報提供は、HP、ツイッター他と様々な媒体が登用されていますが、紙媒体でしか情報が取れない人たちへの配慮が必要だと考えます。
- 総務費では 人権・男女共同参画推進センターについて申し上げます。
だれもが社会に参画できるように支援する拠点となるよう、情報や活動の場の提供、相談、調査等を関係機関と横断的に連携して、相談者の問題解決の手助けをするセンターにすべきです。 特にコロナ禍において女性の置かれている環境は大変厳しいものがあります。総合相談や女性のなんでも相談での関連部署との連携については、当事者が、能動的に自立に向えるように進めるよう要望します。
- 危機管理費です。
地区防災計画の策定を進めるために、防災士の活用などで、町会・自治会に加えて、小さなワークショップを開催するなど、多くの方に関心を持ってもらうことで計画策定に繋げるべきです。
- 文化共育費で申し上げましたのは、タワーホールは、利用者から、立地も展示室も、高い評価を受けていますが、手続きや使い勝手には、課題があるようです。 今後タワーホールをどのように活用していくのか、改めて方向性を検討していく時期にきていると考えます。
- 環境費についてです。
◇地球温暖化が進み、「エコタウンえどがわ推進計画」やSDGsの観点は、全ての事業に係わってきています。 庁舎に設置したボトルディスペンサー型水飲栓によりマイボトルが普及し、ペットボトルの削減につながりました。他の施設においても、その設置を要望します。環境の取組は環境部がリーダーとなっての横断的な改革を望みます。
◇昨年度から清掃職員の新規採用が始まり、ベテラン職員との交流が新たな効果を生んでいます。ごみの収集では、使い捨てマスクやニトリル手袋など新型コロナ関係の燃やすごみが増え、その扱いで職員の負担も増えました。職員の技能の伝承やデータとしての蓄積が、若い世代の感覚で活性化していくことを期待します。
◇また、区民へのごみの捨て方の広報については、チャットボットで検索しやすくなりましたが、結局はHPの中を探っていかなくてはなりません。 使う側にたった目線で、開発していくことが必要だと考えます。
◇羽田空港新ルート問題については、騒音や落下物、部品欠落は、本区だけの問題ではなく、東京都全体の問題です。 やはり、都内の住宅地を低空飛行することへの危険性を避けるためにも、新ルートは見直すべきだと考えます。
- 健康費についてです。
新型コロナについては、ワクチン接種の状況、治療薬の開発、ウィルス自体の弱毒化などが複雑に影響すると考えます。専門家の知見をもとにし、区としての対応を求めますが、区民が感染しているかを知りたい時に、PCR検査等を受けやすい環境を整えることを求めます。
妊産婦支援についてです。
子育てへの切れ目のない支援を整えてきましたが、新型コロナにより、その仕組みが十分に生かされない状況です。家庭内のストレスも高まっており、大人から子どもに対する不適切なかかわりが生まれやすくなっています。引き続き、ポピュレーションアプローチに力をいれ、支援が必要な方には、しっかりと繋げることが必要です。
子宮頸がんワクチンについては、接種により副反応が出ている状況があるのは事実です。ワクチンで防げるがんは限られておりますので、がん検診を行うことに力をいれ、ワクチンの積極的勧奨は控えるべきと申し上げます。
- 福祉費についてです。
介護については、介護者の孤立化を避け、精神的な負担感の軽減などにつながるよう、虐待となる前に相談できる場の拡充など、介護者支援に力をいれていただくよう要望します。
障害者福祉については
障害者が地域で安心して暮らすための課題解決にむけて、当事者も含め、事業者間どうしの情報共有と連携ができるよう、地域自立支援協議会のあり方を見直し、専門部会を設置することをお考え下さい。
生活に困窮している方が増えています。相談者へ、フードバンクを紹介することに加え、緊急の支援として、くらしごと相談室において、区が行うフードリサイクルの取り組みを活かし、食料を配布することをすすめてください。また、お寺や教会など宗教界にも協力を仰ぎ、区の相談窓口をひろく伝える必要があります。
- 子ども家庭費です。
里親を増やすなど地域を巻き込んだ、社会的養育が必要な子どもへの支援を行い、措置解除後もその子どもにとって頼れる場所が何層にもわたるような退所後支援を要望します。
- 土木費についてです。
上篠崎一丁目のまちづくりについては、気候変動危機に対応したまちづくりが必要です。まちが浸水した場合、安全に道路が通れないと、逃げることも、助けがくることもままなりません。
同じ形状の大島小松川公園のボックスカルバートは、雨が降ると通行止めとなります。
現状堤防の上側部分を通っている道路をわざわざ、維持補修にコストがかさむボックスカルバートにすることは理解できません。
一方、小岩や船堀のまちづくりでは、水害対策として、ペデストリアンデッキを計画しています。
スーパー堤防整備方針を見直し、道路は道路として、冠水リスクのない、安全に運行できる道路づくりをめざすべきです。治水においては、その優先順位を見極めること、江戸川区の治水の全体ビジョンを示すべきと申し上げます。
また、身近な公園や親水公園は、自然を感じることのできる住民の最も身近な公共施設です。災害時のトイレ確保という観点もあります。公園の整備改修時には、子どもも含め、地域の方の意見を聞いていただくこと、また、遊具の設置や、自然環境に変化があった場合は、利用者がわかるようにお知らせすることを要望します。
- 教育費についてです。
・2020年度には、コロナ禍により前代未聞の一斉休校がありました。 これについては、検証と総括を行い公表するべきと考えます。
・すくすくスクールでは、預かり時間が延長されました。補助指導員の時給換算の不公平が生じないよう、方策の検討を要望いたします。
・学校図書館には、司書の常駐を求めます。
・配慮が必要な子どもたちには、教室の環境を整えることができる、作業療法士の配置を要望します。 また、文部科学省が普及啓発している音声教材については、特別支援学級だけではなく、全ての学級で使用できるように、教材の説明をし、普及させることを求めます。
・給食費については、公会計化を求めます。 食器については、子どもたちの健康を守るために、メラミン食器未変更の4校について早急に変更することを求めます。
・これまで求めてきた男女混合名簿については、今年度から全校で使用が始まりました。 名簿を作った、ということだけに終わらず、常に活用することが必要です。
・中学校の制服は、今年度から選択制になりました。 制服のジェンダーレス化が当たり前の社会になるようにすることが、本区のめざす、共生社会だと考えます。 制服によって見た目で判断されてしまうことに悩んでいる子どもが、一人でも多く救われるように、子どもたちの声に耳を傾けてください。
・最後に、各学校のHPですが、校則も掲載されることが必要です。
また、今回行った制服アンケートについても、公表すべきと考えます。
介護保険事業特別会計についてです。
昨年度は介護保険の申請控えや、更新申請などへ特例措置がありました。その反動が予想されますので、滞りなく介護認定ができるように対応してください。
新型コロナウイルス感染症により、区民生活も行政サービスも新たな状況が生まれました。これまでは庁舎に直接訪れて話をしていた人たちのなかには、人と接することを避けるために、来られなくなった方がいます。また、オンラインを利用できる環境にいる方は、情報入手やコミュニケーションの新たなツールとして使いこなし、家にいても人とつながることができました。区のめざす、SDGsの「誰一人取り残さない」という理念と一致する共生社会にしていくために、情報提供は区民一人ひとりに行きわたること、区民の声を聞き、区民とともに施策の展開を行っていくことを要望し、生活者ネットワークの総括意見といたします。