給食の食器の素材ってご存じですか? ー メラミン食器からの変更 2021年第3回区議会定例会より ーー

子どもたちが毎日使っている学校の給食食器。

素材は何でしょう。

 

江戸川区では22年前に、2000筆以上の陳情があがりました。

それは、メラミン食器から、安全な食器に変えてくださいというものでした。

 

熱風食器乾燥機で乾燥した際に傷から樹脂が解けだし、有害物質が発生するからです。

全会一致で採択されたものの、江戸川区ではまだ4校変わっていませんでした。

 

私たちは、当然、全校が強化磁器食器に変わったものと思っておりました。

それが変わっていなかったのです。

メラミン食器

使用中のメラミン食器

 

今回伊藤ひとみが本会議質問で質しました。

 

 

 

 

以下質問文です。

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江戸川・生活者ネットワークの設立以来、学校給食の問題については、特に環境問題も踏まえて質問してまいりました。その中でも食器や食材については、まだまだ改善できそうです。

現在のような形で学校給食が普及したのは戦後のことと言われています。 始めはアルマイトの食器が使われ、次に「メラミン樹脂」の食器が普及しました。しかしこのメラミン食器は、軽くて使いやすいものの、洗浄後に熱風食器乾燥機で乾燥した際に、傷から樹脂が溶けだし有害物質が発生するとの研究結果が報告されています。

本区では、1998年に「学校給食で使用しているメラミン食器の変更を求める陳情」が、

2000人以上の署名をもって提出されました。陳情では「メラミン製食器は、メラミンとホルムアルデヒドを重合したプラスチックで、ホルムアルデヒドは毒性が強く、「劇物」に指定される発がん性物質であり、当時の厚生省で使用の規制をしている。江戸川区では、使用サイクルを決め、新しいものと変えているが、新しいものでも溶出するという指摘もあり、わずかな溶出量でも不安。子どもたちが毎日食べる学校給食の食器は、安心して使えるものでなくてはならないと、メラミン食器の変更を求めていました。

当時の文教委員会では、「厚生省がホルムアルデヒドの溶出量の基準を定めて、その範囲での溶出を許容しているとしても、発がん性を否定できない以上、生命及び健康重視の見地から、疑わしきは使用せずという原則に立つべきであること。児童・生徒への食器の取り扱いに関する教育指導の徹底や食器の段階的な転換等により対応が可能なことから、メラミン食器の変更を求める本陳情の含意は妥当であるとの結論に達し、全会一致、採択すべきものと決定した次第であります。」と結論を出しています。

以上のことから、すでに小中学校全ての学校で給食に使用されている食器の変更がなされているものと信じておりました。

しかし、本区議会の全会一致で決まったこのメラミン食器から強化磁器食器への変更は、1999年から順次変えてはいるものの22年経った今でも終了しておりませんでした。メラミン食器を未だ使用している理由は、「強化磁器食器は、メラミン食器より大きく、重さも重いため、運ぶためにはかごを増やさないといけない、そうなると、配膳台・運搬車も熱風消毒保管庫も増やさないといけなくなり、場所がない」ということでした。

メラミン食器など樹脂食器の耐用使用回数は1000回程度とされ、学校給食では、年間180回から200回程度の使用として、耐用年数は、5・6年を目安として交換されています。現在もメラミン食器を使用している学校では、この22年間に、3・4回総取り換えをしていることになります。強化磁器食器は以前よりも軽くて薄いものが開発されている昨今、変更の検討はなかったのでしょうか。

先日、現在もメラミン食器を使用している学校の給食室を視察しました。学級数分あるのが望ましいとされる配膳台・運搬車も、一回り大きい配膳台・運搬車を2クラスで使用するなど、場所の確保を工夫して使用しており、動線を考え、熱風消毒保管庫などを増やすには、給食室自体が狭く感じました。

しかし、発がん性などの危険性が疑われる食器を、すぐに取り換えることが出来た学校がある中で、未だに使用している学校があることは子どもたちの健康に関する不公平につながります。

給食室

給食室

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そこで、区長には、

食器を変更しなかったことによる不公平な状態になっていることについてのお考えを伺いました。

が。。。。。

 

区長部局があって、教育委員会が独立している。

それをわかったうえ質問されていると思うので、教育委員会からお答えするということで、答えませんでした。

 

 

 

教育長には、

議決後、食器を取り変える計画を作成するなどの、検討がなされたのか、スケジュールや他の素材についての検討など、すぐに取り換えられた学校の状況などを伺いました。

また、学校給食で使用する食器の変更未実施校についての今後のお考えもです。

 

教育長答弁

これまでの経緯は、年次計画に基づき2000年から17年かけて、96校を変更。

それ以降は、強化磁器食器はかさばることもあり、運搬、衛生面に配慮した収納が困難という現実問題がある。

96校以降は、児童生徒数の減少、改築や給食室の改修等に合わせて進めてきた。

現在4校残っている。今後の児童数の推計、改築計画が予定されていることもあるので、取り換えが進むと考えている。

新しい食器への可能性も研究していく。

 

ということでした。

 

 

メラミン食器を速やかに変えていただくことを要望しました。

 

その他、今回の本会議質問では、給食への有機野菜の使用をすすめること、小学校教職員の端末を生徒と同じものにすることを求めました。