ヤングケアラーについて 江戸川のヤングケアラー調査より
ヤングケアラーってご存じですか?
最近よく取り上げられていますね。
日本ケアラー連盟ヤングケアラープロジェクトによれば、「家族にケアを要する人がいる場合に、大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行っている18歳未満の子ども」です。
私は今の役割を担う前は福祉系NPOにいました。
訪問介護員として、様々な現場の課題を見てきたところです。
この問題も解決しなくてはならない課題。
訪問介護にかかわる方と一緒に実態調査を行い、今回の質問につなげました。
質問ポイントは大きく3つ
1 学校や地域がヤングケアラーについて認識し、支援につなげる取り組みについて
2 相談窓口をはっきりと示すことについて
3 具体的支援へと繋げる体制について
答弁は
1 学校では引き続き、相談体制の整備や児童相談所との課題共有などの体制強化に努めていく。
要保護児童対策地域協議会などの関係者、介護事業者、多職種の連携で気づいてもらうことに力を入れている。
2 相談窓口は児童相談所が中心となっている。
3 児童相談所を中心に他機関等と連携しながら、よりよい支援の在り方を考えてきたい。
というものでした。
学校において、子どもの様子に一番最初に気づくのは教員ということですが、その教員にヤングケアラーという認識がなければお手伝いをよくするよい子どもととらえてしまいます。
やはり、きちんとヤングケアラーの概念を伝えることが必要だと考えます。
取り組みを進めることを要望しました。
以下質問文全文です。
現在、本区では第8期の熟年しあわせ計画及び介護保険事業計画のパブリックコメントを受け付けています。示された案は、介護保険サービスに加え、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で自立した日常生活を営むことができるように地域包括ケアシステムを整え、さらには地域共生社会の実現にむけたまちづくりへと進んでいくものです。
介護保険制度の開始当初は「介護の社会化」が謳われ、家族依存的な介護体制からの脱却をめざすものでした。しかし制度改正を重ねる中で、家族の介護負担が重くなっている状況がみられ介護する家族自身の健康や生活の質の問題が浮かび上がってきました。
本区でも高齢化の進行に加え、現役世代が減っており、誰もが介護する・される時代となっていきます。
介護と仕事の両立や、子育てと介護が同時期に重なるダブルケアなど、介護者への支援は喫緊の課題となっています。
なかでもヤングケアラーは、その子どもの将来に影響を及ぼすものです。
ヤングケアラーとは、日本ケアラー連盟ヤングケアラープロジェクトによれば、「家族にケアを要する人がいる場合に、大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行っている18歳未満の子ども」です。
これまで、その存在が明らかにならなかった理由は見えにくいということがあります。子ども自身が、その状態を当たり前だと思って生活していることに加え、まわりからも、家の手伝いをする「よい子ども」とみなされてきたからです。
埼玉県では2020年3月全国で初めて、「埼玉県ケアラー支援条例」を制定しました。そして、実態を把握するため、県内すべての高校2年生、5万5000人あまりを対象に調査を行いました。そこでは約25人に1人がヤングケアラーだということがわかりました。
このような調査は、これまで新潟県南魚沼市、神奈川県藤沢市などで、教員を対象に行われています。昨年12月には、全国の公立中学校1000校で中学2年生およそ11万人に実施され、これからその結果がまとめられるとお聞きしています。
本区においては、2019年11月から翌年1月にかけて、介護職が中心となって立ち上げた実行委員会が、調査に取り組みました。家庭という在宅支援の現場にかかわることで、ヤングケアラーの存在に気付く可能性がある医療・福祉の専門職への聞き取り調査は全国でも珍しく、また、市民が企画した調査に行政職員も参加し、後押した、市民と行政の協働という点でも大きな意味を持った調査でした。
今回の調査では回答者340人の約2人に1人が、ケアを担う子どもや若者の存在を認識しているという結果でした。さらに「ヤングケアラー」「ケアを担う子どもや若者たち」などの言葉を聞いたことがあると回答した人では「63、4%」の人がその存在に気づいていたことに対し、聞いたことがないと回答した人では「35、4%」に留まったという結果でした。調査に参加した方からも、「研修をうけ調査にかかわったことで、薬局に薬を取りに来ている子どもがヤングケアラーの可能性であることに気がついた。学校に通えない、職に就けないなど、その後の人生までをも左右する問題であることがわかった。」という感想が聞かれています。
本区では、介護事業所多職種連携研修として、専門家の話と、当事者の声をまとめたビデオを作成し、介護事業者の他、子どもにかかわる各所管で視聴し、区として、積極的に取り組んでおられます。家庭という介護の現場にかかわる専門職がヤングケアラーを発見し、必要な支援につなげる可能性が見えてきます。
さらに、子どもの変化にいち早く気付く場は学校です。調査でも、子どもへの影響として、「遅刻や早退、学校を休む。学力面や精神面に影響がある」等の回答がありました。日々子どもたちに接する学校関係者がヤングケアラーの概念を共有し、その存在に気付かなければ必要な支援につながりません。
そこで伺います。
学校ではヤングケアラーの問題を、現在どのように認識され取り組まれているのか、また、今後についても伺います。お尋ねします。
さらに、当事者である子ども自身が声をあげられる環境をつくることが望まれます。ヤングケアラーについて、地域の人たちにどのように周知をしていくのでしょうか。
次に、ヤングケアラーの存在に気づいた時とった行動については、家庭を訪問し、話を聞き、問題を何とか解決しようとした、といった回答が多数ありましたが、「どうしたらよいかわからなかった」「どこに何を求めていいか不明でもどかしかった」といった内容も見られました。
子どもたちに身近な学校でヤングケアラーの存在に気が付いたときは、その相談はスクールソーシャルワーカーになるかと考えます。しかし、高校生の場合や、地域からの相談先はどこになるのでしょうか。
ヤングケアラーについての相談窓口をはっきりと示すことが必要かと考えますがいかがでしょうか。
さらに、相談窓口では、ヤングケアラーのニーズを把握するためのアセスメントをとり、必要な支援を把握し、支援計画を作成する必要があります。
必要な支援は、家庭でヤングケアラーが担っている介助や介護の負担を具体的に減らすことだけでなく、学習支援や、経済的な問題の解決など、非常に複雑であると予測されます。ヤングケアラーを支援することは、家族支援という側面もあると言えます。
そこで、相談窓口で行われるヤングケアラー支援には、教育、医療、福祉の連携が不可欠だと考えますが、相談を受け、具体的支援につなげていく体制は、どのような形になるのか、お示しください。