児童相談所は子どもの味方? 2021年第1回本会議質問から
NHKの「ねほりんはほりん」でも取り上げられた児童相談所。
一体どんなことやっているのかな…と思ったことありませんか。
児童相談所はこれまで東京都が所管していました。
しかし児童福祉法が改正となり、23区も設置することができるようになりました。
江戸川区は昨年4月に、「これまでとはイメージの異なる児童相談所を作りたい」、
「子どもの権利を大切にする児童相談所をつくる!」と取り組んできました。
開設して間もなく1年です。
そこで4点聞きました。
1 開設からこれまでの成果と課題は?
2 子どもからの相談の状況は?
3 第3者機関による相談・救済のしくみ構築を
4 アドボカシー制度の活用について見解を
答弁は
1 身近な相談機関として機能し始めており、引き続き早期支援の強化を図っていく。
2 今年度は1月までに44件の相談があった。
3 権利擁護機関の設置を目指している
4 アドボケーター等の制度も活用し、子どもの権利を第1にした相談援助活動を進めていく。
というものでした。
子どもの声に耳を傾ける、アドボケイトについては、かなり先進的な取り組みだと思います。
さらに進めていただくよう要望しました。
また、保護者からは早く家に帰してほしいという声もありますので、そのための支援を進めること。
権利擁護機関の相談・救済については、子どもの権利が侵害されていないのか、中立的な立場で相談を受け、よりよい解決を導くための機関として機能することが必要です。相談しやすいよう、常設とし、開設時間帯にも工夫したものを検討いただくよう要望しました。
以下質問文全文です。
児童相談所について伺います。
本区では「誰もが安心して自分らしく暮らせるまち」をめざし取り組んでいます。
「誰もが」というのは「すべての人」であり、これまで権利の主体ととらえることが置き去りにされてきた「子どもの権利」について条例制定を機に子ども参画の機会を広げ準備を進めています。昨年4月には、児童相談所が23区で初めて設置され、理想をかかげて取り組んできたことと思います。
困った時には自分だけで抱えなくてよいということ、味方になってくれる人がたくさんいることが理想であり、行政はきちんと対応するセーフティネットとして機能することが大切です。多様な家庭の形態、たとえば、ひとり親家庭や外国にルーツを持つ方なども多く暮らしています。特に社会状況が厳しい中において、虐待はどの家庭にも起こることであり、共生社会を謳う本区として、こうしたことも含め、開設からこれまでの、成果と課題をまずはお聞かせください。
子どもの相談は「はあとポート」が受け付けています。その周知は、昨年6月に、高学年用と低学年用のカードを作り、全児童生徒への配布で行ったと伺っております。
子どもがかかわる場所には、幼稚園、保育園、小・中学校、共育プラザなど、様々な場所があります。そこにいる大人への相談で解決することもありますし、子どもが頼れる場所が複数あることが大切であり、カードにある「はあとポート」もその相談窓口のひとつです。
しかし、HPに示されている番号は時間帯によって分けられています。さらには、そのHPに掲載されている動画は例示としてはわかりやすいものですが、アクションを起こしても、直接はあとポートへはつながりません。
これではどちらも子ども相談窓口としての機能を十分に果たすことができないと考えます。
そこでお聞きします。この窓口への子どもからの相談の件数と内容はどのような状況でしょうか。
昨年の第1回定例会では、子どもの権利の相談・救済として、子どもオンブズパーソン制度の提案をいたしました。その時、権利擁護機関は非常に重要な制度であるという認識だとお聞きしました。
子どもの権利擁護についてはやはり、子どもの相談窓口を置き、子どもと共に解決の糸口をみつけ、エンパワメントできる仕組みとしていくことが必要だと考えます。
そこで、区長部局や教育委員会から独立した第三者機関である「子ども相談窓口」を設置し、相談救済のしくみを構築することを改めて提案しますがいかがでしょうか。
次に、「児童福祉審議会を設置すること、またオンブズパーソン制度よりもさらに広い概念で子どもの意見表明権や参画を保証する機関であるアドボガシー制度というものについても、例えば一時保護所での意見表明権をどうするかというような観点で様々に検討し、今後詰めていく」ということでした。
そこで、現在、意見表明権についてはどのように取り組んでおられるのか、そして、アドボカシー制度を生かしていくことへの見解をお聞かせください。