プラスチック製品の削減 森林環境税 若者や大人のひきこもり 2019年第3回(令和元年第2回)区議会定例会

今回の本会議質問は伊藤ひとみが登壇しました。

プラスチック製品の削減、森林環境税譲与税、若者やおとなのひきこもりについて取り上げました。

はじめに、プラスチック製品の削減についてです。私たちは、これまでにもプラスチックについては過剰にプラスチック製品を増やさないようにする「発生抑制」や、プラスチック製品を作っている会社がその先リサイクルまで責任をとる、「拡大生産者責任」を問うことが必要であると訴えてきました。それと共に、先ずは自分自身ができること、自治体としてできることを実行することが大切だと考えます。

私たちの暮らしの中で、便利に使っているプラスチック製品は、うっかり風に飛ばされる、ポイ捨てされるなどして、ごみになってしまうと生態系に深刻な影響を与え、海洋汚染も世界的な問題となっています。

江戸川区には、グリーン購入指針という、環境に良いものを購入するというものがあります。

会議で出されるお茶はペットボトルでの提供ではなくすることや、飲食のあるイベントでは、マイ箸・マイ食器とし、持参できなかった場合は有料にするなど、1回使って捨ててしまうような容器を使わないようにすることが必要です。その姿勢を問うたところ、区としても使い捨てプラスチックは廃止の方向で考えているということでした。

 

また、江戸川・生活者ネットワークが20年以上にわたって行っている荒川河川敷でのごみの調査では、ペットボトルが一番多くなっています。国産のペットボトルに入ったミネラルウォーターを飲んだ時と水道水を飲んだ場合とでは、CO2の排出量が50倍も違うといわれています。昨年東京国際フォーラム地上広場に、マイボトル用の給水器、ボトルディスペンサー式水飲栓といいますが、設置されて1年間でペットボトル5万5000本に相当する利用がありました。給水スポットがあることで、環境にやさしく、ペットボトルなどの使用を減らすことができることがわかります。区内の施設にも給水器の設置を求めました。

ちなみに11月3日には江戸川・生活者ネットワークで荒川のごみ拾いを行います。興味のある方はぜひご参加ください。

次に森林環境税についてです。2024年から一人1000円の徴収が始まります。

日本は3分の2の国土が森林でおおわれていますが、実はそのほとんどが戦後に自然林を伐採し、杉やヒノキなどが植えられています。今里にクマが出てくるのは、食べ物豊かな森であったはずが、杉林に置き換わり、しかたなく里に出てきているのです。土砂崩れも、植林された杉、ヒノキでは、根が張らないため、起きています。人工林の7割から8割が手入れのされていない放置林であることを環境団体から伺いまいました。戦後の拡大造林政策で、東北6県分の面積にあたる原生林を伐採し、山の奥地まで杉やヒノキを植えましたが、安い木材が海外から輸入され、林業は衰退し、森林は放置されてしまいました。

多様な生物が住めなくなり、絶滅の危機に瀕することにもつながっている人工林を、自然に近い森林に戻していくことを、国策で行ったのですから国策で戻していくことが必要です。

森林環境譲与税として、江戸川区にも今年度から配分されています。2600万円ほどが見込まれ、今年度建設中の児童相談所や学校改築での内装に国産材を使用するとしていますが、都市部に生活する私たちが自然の大きさを感じる機会は多くはありません。森林環境譲与税は、子どもたちだけではなく、多世代にわたって環境について学ぶために使用することを求めました。

 

3つ目は若者やおとなのひきこもりについて、実態調査を行うことを求めました。

内閣府の調査では、自宅に半年以上閉じこもっている40歳から64歳の人は61万人以上いることがわかりました。そして、ひきこもりの期間は7年以上が半数をしめており、高齢化や長期化が明らかになりました。江戸川区では、約1万人の引きこもりの人がいると推定していますが、実際に区と何らかの形でつながっている人たちは、わずか60人です。ひきこもりは、自殺にもつながってしまうこともあります。現状を把握することが必要だと考え、実態調査を行い、ひとりひとり、寄り添った支援を行うことを求めました。