居住支援団体と自治体の居住支援の施策化の現状 全国居住支援協議会シンポジウムから
シンポジウム「みんなで考える居住支援とは」が基調講演の後に始まりました。
日本大学 文理学部 社会福祉学科の白川泰之教授から「居住支援団体と自治体の居住支援の施策化の現状」について調査報告がありました。
ー地方自治体などの関係者の現状認識取り組みの概況ー
1居住支援ニーズについての認識
◆市町村では各福祉部門とも、居住支援ニーズが「すでに顕在化」と「今後課題となる」が7割。
◆より住民に近い社会福祉協議会の方が、市町村よりも「既に顕在化」の割合が高い。
2市町村の居住支援に関するネットワークについては、都道府県居住支援協議会への参加率は高い。個別ケース対応では、住民・福祉の連携がみられる。
3市町村の福祉部局と住宅部局との間で、定期的な情報連携は低調。
4市町村では、地域支援事業は比較的活用されているものの、全体としては、居住支援の制度の活用は進んでいない。
5市町村の居住支援に対する今後の取り組み意向は、半数が「検討の予定はないが、関心あり」
ー居住支援活動団体の活動の現況ー
1不動産会社・大家、福祉系の機関・事務所との連携は図られているが、身元保証や家賃債務保証に課題が見られる。
2活動内容として多いものは、
入居前 相談対応、不動産会社・物件の紹介、内覧同行や契約時の立会い
入居後 定期または随時の訪問、安否確認・緊急時対応、金銭・財産管理
保証業務 他の支援内容に比べて低調。
3支援実績としては、高齢者、生活保護受給者、精神障害者が多い傾向。
4入居に至らなった原因として、相談者の抱える課題解決が困難、希望に合う物件がない(家賃以外)が多い。
5居住支援法人制度の認知状況は、内容まだ知っていた団体が約半数。未指定の団体の今後の指定の意向は、約半数が未定・わからないとしている。
今後の活動にむけて3つの視点が示されました。
1本人目線で「時間軸」を連続させる。
2居住支援は「予防」でもある。
3行く行くは、福祉と住宅の「ハブ」目指していく。
さて江戸川区はどこまで進んでいるのでしょうか。
昨年2018年7月に居住支援協議会を立ち上げたところです。
会員は社会福祉協議会と二つの不動産協会となっています。居住支援法人や学識経験者も入り江戸川区の住宅についての課題を整理し、10年後20年後をみて今から早急に準備することが必要ですね。