2018年第2回区議会定例会報告 その3  ー 中学校道徳教科書採択にあたり ー

中学校の道徳教科書採択にあたり以下質問いたしました。

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中学校において、来年度から始まる道徳の教科化に関し、検定を通った8社の教科書の特別展示が今月行われました。展示する図書館も1館増え、時間も21:30までと拡大されたことは評価するものですが、その周知方法は「広報えどがわ」に「詳細はホームページで」という内容の掲載のみであった点は課題です。

図書館を訪れた区民の話では、意見を書く紙がなくなっていても「教育委員会の依頼で、場所を提供しているだけ」と、用紙の補充など考えも及ばない様子だったこと、また、終了1時間半前に訪れた方は、片付け始められていたことに驚き「9時半までですよね」と確認して、見たということでした。

何のために、何を展示しているのか、区民が意見を表明する機会があることなどの説明が書かれたものはなく、しっかりと区民の意見を取り入れようとする姿勢が感じられなかったことは残念です。

昨年本区が採択した小学校の道徳の教科書について、私たちは「義務教育諸学校用図書検定基準」で禁止されている特定の個人、団体や特定企業名などを取り上げていることを指摘しました。区はあくまで、検定を通っているのだから何の問題もないという答弁に終始し、この出版社の教科書を選んだ理由についての説明はありませんでした。

今回も、安倍総理が真珠湾で行った演説を掲載したり、文部科学省が「数値による評価ではなく記述式で、また他の児童・生徒と比較しての相対評価はしない」としているにもかかわらず、中学生自身に、単元ごともしくは学期ごとに数値での自己評価を記入させる教科書が検定を通っています。また、道徳の教科の指導項目に入っている22項目に関して結論を誘導するような教科書もあります。私たちは、そもそも道徳を教科化することについては疑義を唱えるものですが、自分の態度や行動のしかた・心の持ち方の問題だけに目を向けさせるのではなく、中学生という時期は、広く社会に目を向けて考えられるようになるだいじな時期であることをふまえることが大切だと考えます。

どの教科書を選ぶかは、各自治体に委ねられているからこそ、公開のもと、熟議のうえで、慎重に選ぶべきだと考えます。そこで伺います。

まず、教育委員会での教科書採択について、審議・採択のスケジュールは広報紙やホームページなどで前もって公開すべきと考えますがいかがでしょうか?

 

また、文部科学省は、採択結果や理由を公表し、説明責任を果たしていたとしても、「保護者や地域住民等が容易にその情報を得ることができるよう,公表の時期・方法等について不断の改善を図ること。」と通知しています。公表という点において、本区では、教育委員会会議録についても、昨年9月以降更新されていませんでしたが、今回の質問通告後、1月までですが公表されました。教育委員会には、道徳の教科書についての陳情も出されましたが、その経過について知るすべは、現状ではありません。

各委員の方々が現場の先生方や区民の意見を、どう踏まえて審議に臨むのか、会議の内容についても速やかに公開すべきと考えます。この点はどうお考えでしょうか?

 

教育長答弁

今年の3月30日の文部科学省の通知で、教科書採択については、外部からのあらゆる働きかけに左右されることなく静謐な環境を確保し、採択権者の判断と責任において公正かつ適正に行われえるように努めることになっている。教育委員会の日程についてはそのものの日程についてはHPで1か月以上前から出しているが、教科書採択スケジュールを中長期的に示すことは考えていない。

意見をどう踏まえて望むのかということは教科書採択については、教科書選定資料、検討委員会、全学校からの意見、展示会など様々な場所での区民の意見を教育委員会に出して審議に挑んでいる。

会議録の速やかな公開というのはその通りだと思う。