福祉健康委員会報告 - 9月 ー

第59号 第60号 第63号 第64号 の受動喫煙防止対策を求める陳情

東京都は、飲食店など建物の中を原則として禁煙にする罰則つきの条例を制定する予定ですし、国も受動喫煙対策の法整備を進めています。

区議会にだされたこの4本の陳情について、私たち生活者ネットは結論をだしたいと考えておりましたが、まとまりませんでしたので、継続審査となりました。

 

第65号 集合住宅で飼育する動物をめぐる環境に関する陳情

こちらは次回結論を出すことでまとまりました。

 

第86号 甲状腺ガン検診の区議会決議を求める陳情

「手のひらサポート」という基金について発言しました。

「3.11甲状腺がん子ども基金~手のひらサポート」という民間の基金があります。本来であれば、事故の責任を負うべき国と東京電力が、子ども被災者支援法13条に基づき、損害や健康被害を補償すべきですが、なされていません。そこで、その責任が果たされるようになるまで、広く国内外に寄付を呼びかけ、独立性の高い資金によって経済的支援や原発発事故による健康被害状況調査を行い、現状を把握しようと設立されたものです。

その対象は、事故当時19歳以下で、放射性プルームが通過した場所としています。

秋田県、岩手県、宮城県、山形県、新潟県、栃木県、群馬県、茨城県、千葉県、東京都、埼玉県、神奈川県、静岡県、山梨県、長野県に居住していた方です。

甲状腺がんと診断された人に、一律10万円が給付され、アイソトープ治療が必要な場合は10万円追加があります。

第1期の2017年3月末第1期までの給付状況は、福島は58人、神奈川4人、宮城・東京各3人、他の県は各1人です。

がん発見のきっかけは、福島県内の場合、県民健康調査が53人、それ以外の調査5人。福島県以外の場合、独自受診や自覚症状による受診が18人、自治体による検診1人、大学受験や入社時検診4人です。

<男女別>男性30人、女性36人。福島県内では28:30、県外では7:16。

<事故時年齢>福島県内4歳~18歳(平均13.5歳)、県外4~19歳(平均15.1歳)。

<再発>福島県内に5例。

アイソトープ治療者は10例。福島県内2例、県外8例となっています。

こうした事例から、検診を行っていない福島県以外で進行例が多く確認されていることがわかります。

これらのことからも甲状腺がんの検診は必要だと考えますし、この陳情は検診受診料の補助ですので、陳情者の含意は妥当だと考えます。

 

第87号 要介護者への「生活援助」の重要性を理解し、地域支援事業に移行することなく介護給付として継続させるよう政府に意見書を提出することを求める陳情

介護保険において提供される生活援助という、例えば掃除や洗濯は、家事代行サービスとは異なります。自立支援という視点が入るからこそ、介護給付の中で行っていると考えます。それが単なる代行サービスとして、掃除洗濯調理などを切り取って行えば、そこに自立支援という視点が失われるため、サービス提供事業者側はより安く、よりきれいにする掃除というサービスとして、競争が始まります。

ちょっとした支援があれば在宅で生活を継続できる軽度者である方が、今ある体力や筋力などの状態維持や回復という目的から外れるサービスが提供されるため、結果として介護度の重度化を招くと考えます。

それは現行の介護保険制度でも、自立支援ということを根底に事業者がサービス提供をしなければ同じ事になります。

介護保険が適正に使われているかをチェックすることは、大切な観点です。

区では1年に1回、在宅サービスを利用している方に向けて不正請求の防止という意味合いからも、利用のお知らせをしています。ケアプランの点検も、妥当なプランとなっているかどうか、何十件かピックアップして行っています。ケアマネジャーやすべての事業所に向けて、自立という視点を持った支援を行うように研修を行うことは重要です。

これから、団塊の世代が何らかの支援を必要とする75歳以上の後期高齢者となります。まだ福祉が措置制度の時代のときは、なるたけお世話にならないようにという意識を持つ方が多くいらっしゃいましたが、介護保険制度が始まり17年経過する中で、給付を受けなければ損と考える方も出てきました。今の要支援者に提供される地域支援事業も、自立支援という概念を、支援が必要なご本人もご家族も含め、多くの人が理解をしていないと、全体として重度化を招くことになると考えます。自立支援という意識啓発を、事業者に向けても区民に向けても行っていくことが必要です。

やはり、この陳情にある通り、要介護者への生活援助は軽度であればあるほど重要なことだと思います。

第89号 子育て支援、低所得世帯の国保料軽減、「国民皆保険制度」にふさわしい国民健康保険制度とするための陳情

継続審査となりました。

 

第91号 0歳児における家庭保育の充実と1歳児認可保育園「入園予約制」の実施に関する陳情

ある区内のイベントで、子育て・保育の相談のブースを出している方にお話を聞く機会がありました。「今の核家族で子育てをする環境で母親ひとりで育てるのは大変、パパだってそんなに助けてはくれない。我慢することない、さっさと保育のプロがいる保育園に預けて自分の好きな仕事をすればよい。お小遣いも入るし、おむつ外しも全部やってくれるとアドバイスをして、ママたちの後押しをしている。」とのことでした。

ママたちのお互いの情報交換できる場やリフレッシュできる環境が多くあれば、こういうアドバイスは必要なくなると考えます。

墨田区でも「なかまほいく」という取り組みが始まっています。10組程度の親子が一緒に交流しながら遊ぶ回と、子どもを預ける親と預かる親に分かれるというものです。ママたちの仲間づくり、パパの仲間づくりも今の孤立した子育ての現状では必要かと思います。こうした仲間ができ、お互い情報交換をしたり、他の人の子育ての仕方を見たりすることで、ちょっとした子育ての悩みや心配も解消しますし、ちょっと見ててくれる?ということにつながります。お互いに預け合いができる関係になれば、それが一時保育ということになろうかと思います。

もちろん、一時保育の場を増やしていくことは必要だとは思いますが、何らかのサービスの提供ということでの子育て支援ではなく、人と人とをつなげるという、アプローチの子育て支援策はあると思います。

家庭保育の充実という視点は大切なことかと思います。