熊本地震における応急仮設住宅整備について  ~委員会視察報告③~

29日の午後は要援護者の仮設住宅について視察しました。

木造建築のバリアフリーの仮設住宅

異動するときに乗車したタクシーの運転手さんにお話しを聞きました。

2016年4月14日に起こった前震と、16日の本震はともに震度7という大きなものでした。

一番困ったのは食料。その方は1人暮らしでありましたが、コンビニの棚に商品がなく大変だったと話されました。

避難所行けば食料はあったけど、その時間に当たらないともらえないし、そこに居続けるわけにもいかないし、タクシーという仕事柄、報道関係者を乗せる仕事もあったので移動途中に購入していたそうです。

住居は半壊と判定を受けたけれど引っ越し先が見つからず、そこで4か月暮らし続けたそうです。

今は1年経過したこともあり、車窓からは震災を感じさせるものはありませんでした。

 

プレハブの仮設住宅が並ぶ

熊本では仮設住宅の配置をこれまでの過密な住戸配置から、住環境の向上とコミュニティの形成に配慮した「あたたかさ」と「ゆとり」と「ふれあい」のある仮設住宅団地となっています。

隣棟との間隔を5.5mとしたことで、スロープの設置が可能となっています。また、ベンチを置いたり、小路をつくってあります。

応急仮設住宅の整備は16市町村で110団地4,303戸、うち木造は683戸です。スロープがついているのは28戸となっています。

4月下旬に建設を着手し、入居開始は6月からでした。

バリアフリー住宅建築開始は9月中旬で、6戸の住宅が11月中旬に整備が終わりました。

バリアフリー住宅が必要なのかどうか、戸数の把握ができなかったそうです。戸建てよりも施設に入ることが多い状況にもありました。1戸がまだ空いていたため、そこを見学しました。鉄筋コンクリートの基礎で、音漏れにも配慮がなされており一見、仮設住宅とは思えないほどです。

もう一か所の仮設住居団地には、「地域支え合いセンター」がありました。

東日本大震災では、仮設住宅での孤独死が2016年12月までに230人、震災に関連した自殺者が2016年3月までに162人もいたそうです。こうしたことを防ぐために被災者の自助・共助を基本に県内18の市町村が設置しました。主任生活支援員、生活支援相談員、生活支援補助員がスタッフとして配置しています。見守り・巡回訪問、コミュニティづくりの支援などを行っています。

みんなの家

建物をのぞくと、10人くらいの方が集っていらっしゃいました。

震災後に限らず、こうした人と人とをつなげる取り組みは大切なことだと思います。