市民と議員の条例づくり交流会議2017 -議会のチェック機能を本気で考えるー

7月29日、30日で、「議会のチェック機能を本気で考える」をテーマに、市民と議員の条例づくり交流会議が開催されました。

法政大学外濠校舎にて

1日目のパネルディスカッションは「今、あらためて議選監査委員を考える」です。

まずは、全国自治体議会の運営に関する実態調査2017の結果報告が、首都大学東京の長野基さんからありました。

2017年3月現在、議会基本条例がある議会は、44.6%です。

ちなみに江戸川区はまだ制定されていません。

議会への市民参加のところでは、請願・陳情における市民の提案説明機会という項目があり、直近1年間でそのような機会があった議会が3割近くありました。

江戸川区議会の建設委員会には、出した陳情に対して意見陳述を行いたいという陳情が2015年の10月に上がっていました。陳情をださなくとも、こうした機会を常日頃からあればよいことです。残念ながら陳情は不採択となり、その機会はありませんでした。

また、議会や委員会主催での意見交換会や、懇談会、議会報告会など「市民との対話の場」を設けた議会は50%を超えています。

条例にこだわらず、議会改革は進めていくことが必要だと考えます。

次の基調講演は、「議選監査委員と議会のチェック機能」山梨学院大学の江藤俊昭さんです。

議選監査委員は、現職の議員が行政の財務や事業に関すること、基金の運用などについてチェックするもので、江戸川区では4名の監査委員のうち現職議員が2名と条例で決まっています。

今年6月の地方自治法改正によって、これまで必置であった議選監査委員を条例の規程によって置かなくても良いことになりました。しかし不作為により議論のないまま、これまでの議選監査委員が続いていくこともあります。

初めての議会基本条例が栗山町で制定されて11年経ちます。二元的代表制である議会は追認機関ではなく、チェックするためにあるのですから、どのような形であれば、そのチェックができるのか、議選監査委員を残すにしろ、残さないにしろどうするか議論が必要です。

議員の身分を残したまま、執行機関に入ることの問題もあります。個人や会派が頑張るのではなく、議会全体として、どう議選監査委員を活用していくのかということでした。

パネルディスカッションは、地方制度調査会で監査委員制度についての検討に加わられた江藤俊昭さん、監査委員事務局経験にもとづいて自治体職員研修の講師なども務めてこられた馬場伸一さん、議選監査委員の経験をもつ伊藤真一東村山市議会議長、桑畠健也所沢市議会議員(元議長)がパネラーです。

コーディネーターは自治体議会改革フォーラム呼びかけ人代表の 廣瀬克哉さん。

監査事務局職員である馬場さんの話は面白いものでした。まじめに一生懸命監査委員としてお仕事されたら困ってしまいます…と。たいていの議員さんは名誉職的に心得てくださってますんで問題ない…などなど。

今回の監査委員を経験したパネラーお二人は、しっかりとまじめにお仕事をされています。

伊藤さんは、議選監査委員は残すべきで、職責を果たすこと。あがりのポストで、しっかりと働かなくてもよいというのはとても残念なことだとおっしゃってました。

桑畠さんは、監査委員の位置づけである報酬ステータスの格が高い。この格がなくなれば、能力のある人がやるのではないかとも。議選監査委員の守秘義務があるが、チェックにつかっていくことはできる。議選監査制度は維持すべきで、監査結果の活用をしていくことだとのことでした。

明日の分科会も楽しみです。