LGBT自治体議員連盟2017夏の研修会に参加しました。

7月27日、28日の2日間にわたり、先日発足したばかりの「LGBT自治体議員連盟」、夏の研修会がありました。

豊島区庁舎で行われた研修会場

第1講演「自治体におけるLGBT施策の現状と可能性」

明治大学教授・北海道大学名誉教授 鈴木賢さん

札幌でのLGBTパレード「レインボーマーチ札幌」は全国で一番多く、16回も開催したパレードだそうです。その札幌でも「同性パートナー制度」まで20年かかったとのこと。

世田谷や渋谷は首長によるトップダウン方式だったが、札幌はボトムアップ型。これならできる。地方から国を変えていける。

台湾でも同性間での結婚が可能となったそうです。これはアジア初とのこと。82%の自治体で先行していったそうです。

行政は、人権に関する問題については、率先してやっていくべき!と力強くお話しされました。

 

第2講演「自治体におけるジェンダー・人権施策の進め方 ~SOGI・LGBT施策はすべてに通ず」

日本大学危機管理学部准教授(行政法、地方自治法担当)

元文京区役所男女協働担当課長 鈴木秀洋さん

文京区の「男女平等参画推進条例」に、性的指向と性自認を条文に記載すること、このたった1行ではあるが条例に位置付けることで「フック」となって効いてくる。効かせていくという、熱い思いがある方でした。

障害ではなく、性的自認、性的指向は人格の中核部分の問題なのではないか。

憲法を大切にし、基本的人権を尊重すること、互いの違いや多様な生き方を尊重する社会を! こう言うと、左ですかという話になったりするが、憲法を尊重するのは当り前じゃないかと、お話されました。

行政にはさまざまな会議がある。その様々な会議・研修の場でLGBTの議論をしているか、やってないのはおかしい! 携帯用の啓発カードを作り全職員に配布したそうです。

 

最後の第3講演は「渋谷区におけるLGBT施策の取組み」

ポロシャツの渋谷区長とスカウトされ着任して1年の担当課長。

渋谷区長 長谷部健さんと、元ルイ・ヴィトンジャパン、ギャップジャパンなどでLGBT施策を実施してきた、今は担当課長の永田竜太郎さんです。

別に特にこのテーマに関心があるわけではなかった。20代でアメリカに行ったときに、男性にナンパされたこと、同性同士のカップルを見たときは衝撃を受けたが、その後、博報堂で働いていた時、周りをみれば結構日本にも、男性同士のカップルはいた。気づいていなかったものが見え出したということだ。30代で会社を辞め、杉山ふみのに出会ったのが大きいとのことでした。一緒に活動していて、LGBTがいることは普通のことになった。ただ僕らと違うのは成長過程で、「悩む」ということだ。

教育長は、保守の母のような人だったが、悩む子どもたちがいることを知り、変わった。世論の声もあり渋谷区ではLGBT施策が進んだとのことでした。

パートナーシップ証明書ばかりが目立ち、パートナーシップ条例と言われるが、「男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」の中のほんの一部と強調されました。

 

LGBT自治体議員連盟は、当事者であることをオープンにしている自治体議員5人(ゴレンジャーと呼ばれています)の呼びかけ人(世話人)と、アライ(性的マイノリティを理解し支援する人)の集まりです。正式名称は「性的指向と性自認に関する施策を推進するための地方自治体議員連盟」です。

時間はかかるが、見えない人を見えるようにし、問題提起をすることで、LGBT施策を進めていけるということ、それも、地域から変えることができるということに希望が見えました。

誰もが自分らしく生きていけるよう、多様性を認め合う社会にしたいですね。