富山型デイサービス「にぎやか」に行ってきました!
生活クラブ運動グループの仲間と日帰りで富山に行ってきました。
この福祉ツアーは何年も続いているものです。福祉の課題をどう解決していくのか、行政任せにせず、どういった形であるなら、自分らしく生きていくことができる社会になるのか、市民レベルで考えているものです。
私が以前の職場である福祉系NPOで活動しているときも、先輩たちはこの福祉ツアーに参加し、将来を描き、私たちに伝えてくれていました。
ときには海外視察まで行い、その先進的な取り組みを語り、自ら地域で取り組むことで、まちを作っていく姿は憧れでした。まだ子どもも小さく、私には参加できないものでしたが、14年たって初めて参加することができました。
今回は北陸新幹線が通った富山です。
「富山型デイサービス」といえばどういったものかがイメージできるほど浸透していますが、惚万佳代子さんが始めた時はまだまだでした。
数ある中、阪井由佳子さんが始めたデイケアハウス「にぎやか」を見学してきました。
活動理念は、「死ぬまで面倒みます」「ありのままを受け入れます」「いいかげんですんません」
最近は、精神障害や発達障害があったり組織や社会に馴染めないなど、生きづらさを抱える人たちの居場所にもなり、「生きてるだけ」を合い言葉に、「生きてるだけ」でない活動も少しずつ始めています。「チームむら」をつくり、視察者への見学ガイドとしても活躍。
その「チームむら」による見学ガイド(支援員1名、利用者3名、元利用者1名)を受けました。にぎやか近くの公民館で、スライドを利用し、台本はあるものの絶妙なかけあいで見学者を楽しませてくれました。支援員と利用者の垣根を感じさせず、自主的な役割を各自が持っていることが他にはないデイサービスの特徴です。
近隣との摩擦もあり、ときには気分が落ち込むこともあるようでしたが、そのような中でも、にぎやかの中はみなにとって安心できる場所となっています。
販売を担当した利用者も、以前は施設でシバかれた経験があるということでした。役割があることでいきいきとしており、支援員からも、今日はとびきりの笑顔という声も聞こえました。
通常のデイサービスとは異なる、木のぬくもりにあふれた開放感のある家という環境も、心の安定につながるように感じました。
当初の利用者の傾向は、介護と障害半々であったようですが、最近は障害の割合が高いということ。おそらく精神の受け皿が少ないのだろうということが予測されました。
この「チームむら」による見学ガイドは富山型デイサービスが常に変化し発展していくことを感じさせました。もと利用者でもありスタッフでもあり、今は違うところで働いているけれど、今日は、自分の心に元気をもらいたいので来たという、ミキティという女性。そんなたまたま来たという、自分のことをわけわからないけどいる人という女性を、阪井さんは「見学ガイド、手伝ってきて」(ほんとは富山弁で話してくれたのですが、再現できずごめんなさい)と、受け入れて、出番を与えてくれるところは素晴らしいですね。
なかなか一歩踏み込めない雰囲気のあるこの東京。
「東京の人はだめだね。当たり前のことをやっているだけ。」という阪井さんに、なんだか遠慮してしまう自分がいることを指摘されたように感じてしまいました。
人との会話が日常的に存在しているのでしょう。たとえそれが知らない人であっても。
デイケアハウスも見学させていただきましたが、心地よいのんびりとした空気が流れていました。