福島の今。帰ることのできない現実。
東日本大震災・原子力災害伝承館という施設があることをご存じでしょうか。
夏休みに行ってきました。
常磐自動車道を走っていたら大雨となりました。
常磐双葉ICを降りたところで、たたきつけるような雨。
路面冠水していることに気が付かず車で通ったら、噴水のような水撥ねとなってしまいました。
車が停まったらどうしようと不安がよぎったところに、窓から見えた景色は、格子状のバリケードでした。
そうでした。
ここは帰還困難区域。
ハイウェイマップをみれば、そう書いてあるのに、現実と結びついてませんでした。
フクイチの事故後、直近で福島に行ったのは2016年だったと思います。
農家さんや、福島に移住した矢先の原発事故にあった若い方のお話や、帰還を夢見て工場の再建をしている方の生活などのお話を聞いてきました。
その時と全然変わっていないことを、いまさらながら実感したのです。
車が進む道は、左右に曲がることができません。
すべてバリケードでおおわれ、入ることができません。
忽然と現れたのが、大きな施設。伝承館です。
反対側はホテル。一般の方も宿泊できます。
大きな施設、しかも展示の仕方も、新しい方式のように感じました。
利用客も思ったよりいます。
家族連れのかた、一人で来ている方、外国の方も。
目に留まったのは、福島健康調査の展示です。
私たちは江戸川区で甲状腺検診を行ってきました。
もちろん、福島に比べたら、放射線量はとても少ないですけれど、成長期の子どもたちに与える影響はあると思います。
健診で早めにわかれば手を打つことができます。そんな思いでやってきたのですけれど…。
ここの表示は「福島県民の健康被害で、事故による放射線被ばくに直接起因すると思われるものは記載されていない。」とありました。
甲状腺がんになった子どもたち、みずから裁判も起こしているのに?
ホールボディカウンターも展示されていました。
使われていたものでしょう。椅子の表面が擦り切れていました。
福島第一原子力発電所から80キロメートル圏内の空間線量率の分布と変遷も展示されていました。
途中、事故後依頼そのままになっている家を見ながら、家に帰ってきました。
おりしも、
メルトダウンした炉からデブリを取り出すと言うニュースが流れてきました。
手順に手違いがあったから中止と。
いったいいつ廃炉が完了するのでしょうかね。