荒川の弱点である京成本線荒川橋梁のかさ上げについて
昨年12月、こんな記事があがったのをご存じでしたか?
「荒川堤防の“弱点”解消が13年遅れ、橋の架け替えルート変更で」
日経XTECの記事でした。
( 日経クロステック/日経コンストラクション2021.12.07
https://xtech.nikkei.com/atcl/
東京の荒川の京成本線荒川橋梁の嵩上げ工事の完了予定が従来の2
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13年間も延期?
いったい何が起こっているのでしょう。
江戸川区に避難勧告が出された台風19号の時、多くの方が心配したのがこの橋梁のところです。
堤防高が周囲より低いからです。
そこでまず、このことについて、12月24日江戸川区に情報を持っているのか聞きました。
特には知らない。どこソースか?と逆に聞かれました。
そこで、当該自治体である葛飾区に聞くことにしました。
ちょうど、葛飾区に生活者ネットワークの議席を確保できたのでヒアリングできます。
年をまたぎましたが、1月6日(木)に葛飾区議の沼田たかこさんとヒアリングにいきました。
都市整備部の職員が対応してくれました。
以下内容を確認しました。
葛飾区都市整備部のヒアリング内容
1.13年遅れたことについては?
もともといつ完成とは示されていなかった。これまでも葛飾区ではいつ完成かという問い合わせがあった時も、完了時期は示されていないと答えていた。このたび初めて完成時期が示されたということであり、遅れたという認識はない。工事の全線完了は2037年度(令和19年度)であるが、かさ上げはそれより早い時期に完了する。なるべく早くかさ上げが完了するよう要望している。
※今回は4回目の事業評価となるが、前回の計画にも、終了時期は示されていなかった。
2.事業評価について
事業評価については、国土交通省のHPにこれまでのものが掲載されている。
平成16年、平成21年、平成24年、H27年と4回あり。
3.ルートの変更について
ルートについても今回変更されたわけではなく、以前からこのルートとなっていた。
山形の盛り土から、高架化することで資材置き場程度の用地取得で済む。また、高架下も有効に使うことができる。用地取得状況は、変更されている計画において報告されている。
4.住民の声
南北の移動が容易であること。 高架下の利用などあり。(現状、堀切駅との間に南北をつなぐトンネルが3つあるのみであり 高さも2.3m、2.8mと高くはなく、大型車は通れない。)
5.この事業に対して区ができることは何か
①まちづくり協議会の設置:気運を高める(工事に向けての住民感情の醸成など)、理解を深める。
②水防管理者としての役割。(工事が終わるまでの期間は、区民に安心してもらうために区がしっかり水防対策をとる。) ←もともと、周辺より3.7m低い。
ほかに、早期完成の要望を国交大臣に周辺5区で毎年行っている。
6.現在の状況について
2019年10月台風19号の時には、桁下1.2mまで水位が上がった。その時の水位の上昇をみて推測すると、水があふれ出すまでに2時間ちょっとという状況になった。 これまで、京成電鉄は、JRが電車を止めときにも止めたことはなかったが、今は、桁下1mにまで水位が上がったら、電車を止めることになり、止めた後は葛飾区が水防に動くことになっている。(京成線は、広域避難の手段となっているため、また止めた際のその後の再開も、速やかに電車が走れるようにしないといけない)
堤防は、国の管理であるが水防活動は地域である。
葛飾区と足立区と京成電鉄と国交省で、この部分だけの、水防活動協議会を作っている。
現在の堀切のところは、パラペットを土手の高さまで国に作ってもらっているが、京成の線路内には、信号の制御装置などがあるため、線路上に必要量の土のうを置くと壊れてしまう。 そのため今年度中には、線路の水を止めなければならない場所に置かれている資材の移設してもらうことになっている。
2020年に葛飾区は、国に土のうの設置を要望し、許可を得られたことから、同年7月の水防訓練時に土のうの設置訓練をし設置した。その後は占有申請をすることで撤去せずに積んで置けることになった。土のうは1袋1.3トン。 そうしたことで「あれは何だ」という区民からの問い合わせもあり、土のうではなくパラペット(コンクリート製の擁壁)を設置させる動きが進み、2021年9月にパラペットの設置が完了した。
今年度中に、電源などの機材を移設し、覆工板(ゴム製の板のようなもの)を設置し、その上に3tの水嚢を置くことを考えている。大阪淀川区では、水門のような止水版を設置しているが、葛飾区には、設置用地がないためできない。
コンクリート壁が水害を防ぐ!京成本線荒川橋梁の水害対策が一歩前進
https://www.city.katsushika.lg.jp/kurashi/1000063/1004031/1027237.html
7.今後の予定について
令和4年(2024年)工事着工。
まずは河川区域内の工事を行う。
詳細な工事説明会を、区が場所を用意し、国が行う。
8.地元区から周辺区への連絡は?
特にしない。国から葛飾区にも改めてくるわけではない。
用地買収の進捗も区にはわからない。
参照
京成本線荒川橋梁掛替に係る事業調整協議会
https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000813672.pdf