学校作業療法ってなに? アメリカのインクルーシブ教育から。
もう2年も前から作業療法士(OT)の魅力に取りつかれています。
地域共生社会を作るには、子どものころから地域で共に育ち、学ぶことが必要だと思っています。
「アメリカには学校に作業療法士がいる!」というお話をぜひ伺いたいと思い、新型コロナウィルス感染拡大で一度はあきらめた講座でしたが、オンラインでやっと開催できました。講師依頼をした4月は、まだ、オンライン授業も始まっていなかったのですが、学生さんたちへの講義もすべてオンライン。7月には先生もベテランとなっていました! しかしこちらは初めてのオンライン開催。ドキドキしながらのスタートです。
講師は北里大学医療衛生学部教授の高橋香代子さん。「アメリカにおける子どもへの作業療法とは」をお聞きしました。(7月15日)
社会とは互助の(たすけあう)世界。学校や学童保育の場は社会の縮図です。
一緒に過ごすことは、お互いに助け合うことを学ぶ機会となります。
アメリカでは特性のある子どもを、障害児とは呼ばず、ギフトが目立っている子どもととらえます。
アメリカでは、作業療法士は、ドクターよりも弁護士よりも上の、子どもにとってあこがれの職業です。
各学校に一人いて、どの子どももストレスと折り合いをつける授業をOTが実施しています。
その他、学校が支援を必要だと判断すれば手帳のあるなしにかかわらず、OTの支援を受けることができます。
ダウン症のこどもなどは通常級で授業を受けているそうです。
特別支援学級もありますが、医ケア児や、感染症に対しケアが必要などの子どもが通います。
特別支援学校は、進行性の病気や看取りまでみていく状態にある子どものための学校です。
その理由が、予算がないからそんなに特別支援学校は作れない、どの子も通常級で過ごすということには驚きましたが、地域共生社会にとても効果があります。
OTは昼食の時間も評価を行うそうです。何を食べているのか、どの子どもと仲良しなのか、どのように食べているのか。などなど。学校に常駐しているからこそできることです。
やりたい、やってみたいを引き出すのがOTの役割。と伺った時、とてもHappyな気持ちになりました。
集団にあわせることができるように我慢を強いる日本の現状とはかなり違います。
それでは日本では、OTの力を生かしているところはあるのでしょうか。
あります。
神奈川県では先生に対するコンサルテーションをOTが行っているそうです。
また、※保育所等訪問支援で、保護者からのリクエストがあれば訪問しています。
※保育所等訪問支援とは、保育所その他の児童が集団生活を営む施設として厚生労働省令で定めるもの(保育所、幼稚園、認定こども園、小学校、特別支援学校、その他児童が集団生活を営む施設として市町村が認める施設。「市町村が認める施設」としては、放課後児童クラブや中学校や高校などが想定される)に通う障害児につき、当該施設を訪問し、当該施設における障害児以外の児童との集団生活への適応のための専門的な支援その他の便宜を供与することをいう。
あるがままを「主体性を大事にするのが作業療法」と実際に支援している子どもの例も紹介してくださいました。
お話を伺えば伺うほど、素敵な専門職だと思います。
次は、先進的な取り組みをしている沖縄のこども相談支援センターゆいまわるの仲間知穂さんのお話を、まずはネットの仲間に聞いてほしい!と強く思いました。