子どもの相談と救済
今年は子どもの権利条約を批准して25年。
また、区が児童相談所を設置できるようにもなり、江戸川区でも、2020年4月の開設に向けて準備を進めています。
子どもの最善の利益を考えるにあたっては、子どもの声を聞くことが出発点だと考えます。
7月6日は「子どもの相談・救済と公的第三者機関の在り方」をテーマに、千里金蘭大学の吉永省三さんの話を伺ってきました。
地方自治体における子どもオンブズパーソン制度の設置は、兵庫県川西市で「子どもの人権オンブズパーソン条例」が1998年に制定されています。
その他にも川崎市2002年、多治見市2004年、豊田市2007年とあります。現在全国1700ある自治体のうち、34自治体がしくみを持っています。
現状はどうであるのか…。2017年に厚労省公募調査研究事業平成29年度子ども・子育て支援推進調査研究事業課題9「都道府県児童福祉審議会を活用した子どもの権利擁護の仕組み」に関する研究の一環として、自治体調査を行いました。子ども条例にもとづく子どもの相談救済機関(公的第三者機関)一覧の33自治体を対象にアンケート調査を実施。31自治体から回答が寄せられたそうです。
子どもから直接話を聴くことを通して子どもの最善の利益をめざす相談機関として一定機能していると考えられる機関は14自治体でした(45.1%)
公的第三者機関としての調査活動が毎年度実施されている機関は10自治体(32.3%)
相談の先、救済を受けることができるまでのモデルとして、2012年に制定した泉南市の子どもの権利に関する条例が紹介されました。
(子どもの相談と救済)
第6条 子どもは、いじめや虐待、体罰その他の人権侵害を受けたとき、または受けそう な状況に置かれたとき、自己の権利として、その子ども自身が必要としている相談と救 済を受けることができます。 2 市は、前項に定める子どもの相談と救済について、これを子どもが享受することがで きるよう、必要な仕組みを整えます。 3 子ども施設の職員及び親その他の保護者、子どもの身近にいる市民等は、子どもが必 要な相談と救済を受けることができるよう、その子どもの最善の利益を第一に考慮して 支援に努めます。 4 子どもや保護者等から相談を受ける立場にある市及び子ども施設は、その相談に際し ては、子どものプライバシーの権利等を保護するとともに、子どもの意見表明と参加の 権利を尊重し、その子どもの最善の利益を具体的に実現できるよう救済に努めなければ なりません。
子どもの権利について、このように条例に記して明文化しておくことはやはり必要だと思います。
忘れかけたときにここに立ち返ることができることもできます。現に定めているところはあるのだから、江戸川区においても子どもの権利について条例を定めていくことが必要だと考えています。