世田谷の産後ケアの取り組み

2017年1月18日 11時49分 | カテゴリー: 活動報告

世田谷の産後ケアセンター桜新町を見学してきました。

産後ケアセンター桜新町

産後ケアセンター桜新町

ここは産後ケア事業として、産後に母と子が宿泊して(日帰り利用も可能)、母子のケアや授乳指導・育児相談等が受けられる場所です。

少子化、核家族化がすすみ、「子育て」を身近に感じることのないままに「おかあさん」となる方が増えています。育児情報をSNSから得る事も多く、特に1人目を育てるときは、赤ちゃんのいる生活をリアルに実体験できないままに母親になっているので、不安を持つ方が多いのではないでしょうか。こうした状況への育児支援が求められていると思います。

世田谷区の妊産婦と子育て家庭を切れ目なく支える相談支援体制(世田谷版ネウボラ)は、H28年7月から区内5カ所にある各総合支所に、保健師(母子担当リーダー、地区担当)、子育て応援相談員(社会福祉士・保育士・社会福祉主事等)、母子保健コーディネーター(保健師・助産師・看護師)を含む専門職によるネウボラ・チームがあります。

おかあさんの食事、シャワー、エステの時に預かります。

おかあさんの食事、シャワー、エステの時に預かります。

妊娠期の面接の際には産前産後サービスが利用できる子育て利用券を配布しています。母乳・育児相談、ヘルパー派遣や、乳房マッサージなどの「親」を支援するサービス、一時預かり、託児等の「子ども」を預かるサービス、そして、産後ケア、親子交流講座等の「親子」を支援するサービスの利用によって、妊婦や子育て家庭を支援しています。

また、産後ケア事業として、ショートステイやデイケアの利用ができます。

産後のショートステイを行っている、産後ケアセンター桜新町はたくさんの方が利用していました。

お母さん同士で会話をしながら落ち着いて食事ができます。

お母さん同士で会話をしながら落ち着いて食事ができます。

こうした世田谷版ネウボラを推進していくために推進協議会を設置し、取り組みの検証や改善を行っています。

世田谷区の出生数は約8,000人です。比較的高齢出産の方が多い自治体です。35歳以上で出産する割合が年々増加しており、H27年度は、全体の45.2%を占めています。第1子の出生時の母の平均年齢もH27 年は32.9歳です。

こうした中、産後ケア事業は平成20年から始まり。母子の宿泊ケアを(ショートステイ)を実施し、育児不安の解消や児童虐待の予防を目指しています。

産後4か月未満の母子で、親族などから十分なケアを受けられず育児不安や体調不良がある人が対象です。助産師が母子の身体のケアや育児相談に乗ります。

センター長と世田谷区の職員を囲んで生活者ネットワークの仲間と

センター長と世田谷区の職員を囲んで生活者ネットワークの仲間と

利用料は世田谷区民であれば1泊2日で1割負担の6,400円。11室が95%以上稼働しており、884組の利用があります。(区外からの利用も可。その場合は1泊2日で65,800円)いずれも7日まで利用可。

施設全体で15室ありますが、区の産後ケア事業を始めてみたら利用希望が多いので部屋数を11室に増やしたそうです。人気が高く抽選となる事もあり、確実に利用したいため区民であっても自費で申し込む方もいるそうです。

 

江戸川区でも産後ケア事業としてH28年よりショートステイが始まりました。これまでに3件の利用があります。

世田谷区と江戸川区では同じ産後ケア事業という名称で同じく虐待予防の観点からの取り組みですが、実態は異なります。

江戸川区では毎年6,000人の赤ちゃんが生まれます。母子手帳を交付するときに保健師と面接を行い、これまでよりも早い時期に専門職につながることができるようにはなっています。

産後ケア事業は、虐待の恐れのある母が、利用料の負担なしに宿泊支援を受けることができますが、1床しかないため、多くの方の利用というより、より緊急度が高い方への支援であると言えます。

子育て支援というと、待機児童対策ばかりが注目されますが、まずは、子どもを産み育てることの支援だと考えます。だれもが最初は戸惑いがあって当然。世田谷の産後ケアセンター桜新町の「ゆっくり おかあさんになってください」というメッセージに尽きると思います。

そのためには江戸川区版の子育て支援を作っていくことが必要です。

本区では母子手帳の交付時にぴよママギフトがもらえます。子どものための物品購入に使える商品券を、母乳マッサージや、一時保育などの人とつながることのできるサービスに利用できることも必要ではないでしょうか。