妊娠SOS東京の勉強会に参加してきました

TBS系ドラマ「こうのとりのゆりかご」のモデルである田尻由貴子さん

TBS系ドラマ「こうのとりのゆりかご」のモデルである田尻由貴子さん

妊娠SOS東京という団体は2016年4月に一般社団法人として立ち上がったばかりです。

思いがけない妊娠に悩み、どうしたらよいのかと途方に暮れる人たちへの支援を行っています。

8月20日は2回目の勉強会でした。

代表の中島さんは、熊本の「こうのとりのゆりかご」の相談の33%は関東圏の相談であったということがきっかけで、いてもたってもいられない思いで7人の仲間と始めたそうです。活動自体は昨年の2015年12月から始まっていますが、この8か月の間に180人、1100回の電話相談があったそうです。

先日私は、一般社団法人ColaboとTsubomi(Colaboとつながる少女によるグループ)の私たちは「買われた」展を見に行ってきました。狭いスペースは人であふれ涙をすする音がしました。

8月11日から21日まで神楽坂のセッションハウスで開催されました

8月11日から21日まで神楽坂のセッションハウスで開催されました

その展示は、少女たちが、JKビジネスや売春に至った自分の過去をつづっているものなのですが、子どもたちを思うと苦しくてなりません。

貧困などの家庭環境がその背景にある場合もありますが、普通と呼ばれる家庭の女子中高生にも、性産業は入り込んでいるのです。

そしておそらく思いがけない妊娠をすることもあるのでしょう。

どうしたら彼女たちに支援の手が届くのだろうと思っていた矢先、にんしんSOS東京の存在を知りました。

 

このようなケースだけを扱っているのではなく、思いがけない妊娠をしたときすべての相談を受けています。今回は「本当の支援のあり方」というテーマで、田尻由貴子さんをお招きしての勉強会でした。

田尻さんは熊本の赤ちゃんポストを設置した方で、8年間で9,200件の妊娠・出産の相談に

パネルディスカッション

パネルディスカッション

かかわりました。

 

その後、全国妊娠SOSネットワーク理事の赤尾さく美さん、にんしんSOS東京相談支援員の柴原崇さんとのパネルディスカッションです。

その中で、赤尾さんが全国の約30カ所の相談か所へアンケート調査を行ったところ、3つのギャップがあるという話が出ました。

相談をする側と受ける側の年齢のギャップ。相談する側は10代20代であるのに、受け手は40代から70代。

相談内容の分野のギャップ。保健医療分野の専門家が受けるのに対し、相談内容は身体的なことより、経済や衣食住などの福祉分野であること。

ライフスタイルのギャップ。窓口や電話は9時ー17時だが、相談する側は夜から明け方に悩み、連絡手段もメールやLineの世代であること。

 

田尻さんは、相談を受けるときはすべてウエルカムであること、説教ではなく背景を知ろうとする姿勢が必要とおっしゃいます。

サインに応じる田島さん。「はい。赤ちゃん相談室、田尻です。」8月下旬販売開始です。

サインに応じる田島さん。「はい。赤ちゃん相談室、田尻です。」8月下旬販売開始です。

パネリストのお1人相談員の斉さんは、専門性と市民性というお話をされました。今は虐待は行政で、教育は学校でなどと、分けてしまいがちだが、相談を受ける中で専門職でなくても、身近なお兄ちゃん、お姉さんの存在が担える分野もあると話されました。

今回の勉強会、ここには書ききれない盛りだくさんの内容でした。

 

感じたことは、行政の支援の仕組みからこぼれ落ちている人がいるということです。

届く支援にしていくことが望まれます。